オピオイド治療がん患者の便秘、2週間で5割超(OIC-J)/ESMO2018
オピオイド誘発性便秘 (OIC)はオピオイド鎮痛治療で頻繁にみられる副作用であるが、その発症頻度を前向きに評価した研究はない。そのような中、オピオイド鎮痛薬治療を行ったがん疼痛患者を対象に、わが国のOICの発症頻度を調査したOIC-J研究が行われ、その結果を群馬県立がんセンターの今井久雄氏らが、ドイツ・ミュンヘンにおける欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)で発表した。
OIC-J研究は、多施設共同前向き観察研究。対象は、強オピオイド鎮痛薬治療を受けた20歳以上のがん疼痛患者(登録前の7日間に3回以上の排便あり)である。オピオイド鎮痛薬治療開始時から14日間の登録患者の排便習慣を記録し、OIC発症割合を調査した。主要評価項目はROME IV診断基準によるOIC発症割合。副次評価項目は、Bowel Function Index (BFI、スコア>28.8)、自発的排便回数([spontaneous bowel movement、以下SBM]、<3/週)、および医師診断によるOIC発症割合である。観察期間中の便秘治療は許容されている。