遠隔オリゴ転移再発乳がんの予後および予後因子/日本癌治療学会
進行乳がん(ABC)のガイドラインの定義によるオリゴ転移がん(OMD)がNon-OMD(NOMD)と比べて有意に予後良好であり、通常の再発乳がんの予後因子である「遠隔転移巣の根治切除の有無」「転移臓器個数」「転移臓器部位」「無病期間(DFI)」「周術期の化学療法の有無」がOMDにおいても予後因子であることが示唆された。がん研有明病院/隈病院の藤島 成氏が第57回日本癌治療学会学術集会(10月24~26日)で発表した。
一部の進行乳がんにおいて長期予後が得られる症例があり、そのような症例としてOMDやHER2陽性乳がんが挙げられる。ABCのガイドラインにおけるOMDの定義は、転移個数が少なくサイズが小さい腫瘍量の少ない転移疾患とされており、その転移個数は5個以下となっているが、転移臓器の個数は定義されていない。OMDの転移臓器の個数は1つにすべきというドイツのグループからの意見もあり、その定義について議論されている。今回、藤島氏らはABCのガイドラインの定義によるOMDの予後を評価し、さらにOMDの予後因子を検討した。