腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:132

浸潤性乳がんの検出率、乳房トモシンセシス+合成マンモグラフィvs.デジタルマンモグラフィ/Lancet Oncol

 乳がん検診における浸潤性乳がんの検出率について、デジタル乳房トモシンセシス+合成2Dマンモグラフィと2Dフルフィールドデジタルマンモグラフィ単独で比較したところ、デジタル乳房トモシンセシス+合成2Dマンモグラフィで有意に高かったことが、ドイツで実施された非盲検無作為化優越性試験(TOSYMA)で示された。University Hospital MunsterのWalter Heindel氏らがLancet Oncology誌オンライン版2022年4月12日号に報告。本試験は、ドイツの2つの連邦州における17の検診施設で実施された。対象は品質管理されたマンモグラフィ集団検診プログラムに参加した50〜69歳の女性。地域ごとに層別化したブロック無作為化を用いて、デジタル乳房トモシンセシス+合成2Dマンモグラフィ、または2Dフルフィールドデジタルマンモグラフィに1対1に無作為に割り付けた。主要評価項目は、ITT集団での浸潤性乳がんの検出率と24ヵ月の浸潤性中間期がん率で、安全性はas-treated集団で評価した。

LINEを用いた乳がんのePRO、副作用の効率的な収集に成功/慶應義塾大学

 慶應義塾大学医学部は、2022年4月12日、同外科学教室の林田 哲氏、北川 雄光氏、同医療政策・管理学教室の宮田 裕章氏、帝京大学医学部外科学教室の神野 浩光氏らの研究グループが開発した、LINEを利用して乳がん患者の健康状態や薬物の副作用情報を収集するePRO(electronic Patient Reported Outcome:電子的な患者報告アウトカム)取得システムが、効率的な情報収集をしたことを明らかにした。  このePROの取得システムでは、患者のLINEアプリケーションへメッセージが定期的に送信される。患者が簡単なタップ操作でメッセージに返答すると、管理者は、がん治療薬の副作用重症度を国際的指標(PRO-CTCAE)形式で把握することができる。

ニボルマブ+化学療法の非小細胞肺がん術前補助療法が生存改善示す(CheckMate-816)/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2022年4月11日、Stage IB~IIIAの非小細胞肺がん(NSCLC)の術前補助療法を評価する第III相CheckMate-816試験で、主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)の結果を発表した。  従来の病理学的完全奏効(pCR)に加え、米国癌学会年次総会(AACR2022)でEFSと全生存期間(OS)のデータが発表されたもの。  CheckMate-816の新たな結果では21.0ヵ月以上の追跡期間において、ニボルマブ+化学療法群は無作為化患者全体でのEFSリスクを37%有意に低下させた(ハザード比[HR]:0.63、97.38%信頼区間[CI]:0.43~0.91、p=0.0052)。

早期乳がん、21遺伝子アッセイと内分泌療法反応性による治療ガイドは有用か/JCO

 ドイツ・West German Study Group(WGS)によるWSG-ADAPT HR+/HER2-試験において、再発スコアと内分泌療法への反応に基づく薬物療法のガイドが臨床で実行可能であり、リンパ節転移3個以下の閉経前および閉経後患者は化学療法なしですむことが示唆された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2022年4月11日号に掲載。

HPVワクチン接種者へのスクリーニング、陽性者にはコルポスコピーを/BMJ

 子宮頸がんの予防では、ヒトパピローマウイルス(HPV)の1次スクリーニングは細胞診よりも有効性が高いとされる。オーストラリア・シドニー大学のMegan A. Smith氏らは、これまでに十分な検討が行われていないHPVワクチン接種を受けた女性における子宮頸がんの1次スクリーニング検査の効果を評価し、コルポスコピー検査導入の決定に際しては、基本となるがんのリスクを考慮する必要があり、これに基づいてHPVスクリーニング検査を行えば、その結果がHPV16/18陽性の女性では、細胞診の結果にかかわらず、過去に繰り返しスクリーニング検査を受けている女性であっても、コルポスコピー検査で前がん病変やがんが発見される可能性が高いことを示した。研究の詳細は、BMJ誌2022年3月30日号に掲載された。  研究グループは、オーストラリアのHPVワクチン接種済みの女性において、子宮頸がんの1次スクリーニング検査プログラムの開始から2年間の実態を調査する目的で、観察研究を行った(筆頭著者らはオーストラリア国立保健医療研究評議会[NHMRC]から給与支援を受けた)。  対象は、2017年12月1日~2019年12月31日の期間にHPVの1次スクリーニング検査を受けた女性であった。

米国の肺がんアジュバント実施率53% ガイドライン準拠に改善の余地(ALCHEMIST)/JAMA Oncol

 米国の早期非小細胞肺がん(NSCLC)ではガイドラインに沿った標準治療をどの程度行っているのか。全米の後ろ向きコホート試験の結果、実施割合には改善の余地があることが明らかになった。  米国のNCCNガイドラインでは、リンパ節郭清を含めた外科的切除と術後補助化学療法を適切な患者に行うことが早期NSCLCの標準治療となっている。しかし、以前から多くの患者が、そのような治療を受けていないとされる。  そこでNCCNガイドラインに準拠した手術と補助化学療法がどの程度行われているかを、全米の補助療法の大規模スクリーニング試験ALCHEMISTで確認した。

子宮頸がん撲滅に向けて:HPVワクチン接種の意義とは

 2022年3月29日、MSD株式会社は子宮頸がん予防に関するメディアセミナーを開催した。  今回のセミナーでは、「子宮頸がん予防の重要性ついて」を近藤 一成氏が、「ワクチン接種を検討する方へ伝えるべきポイント」について勝田 友博氏が説明した。  主要先進7ヵ国、G7の中で日本は子宮頸がん罹患率が最も高く、年間約1万人が子宮頸がんに罹患し、約3,000人が死亡している。2019年の1年間であれば、死亡者のうち571人が25~49歳と若年の女性であった。つまり、子宮頸がん予防の遅れが課題となっている。

MET exon14スキッピング肺がんにおけるsavolitinibの有望な結果/ELCC2022

 MET阻害薬savolitinibの非盲検第II相試験の結果が、欧州肺癌学会議(ELCC2022)で発表された。savolitinibは中国のMET exon14スキッピング変異を有する肺肉腫様がん(PSC)と非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対し有望な成績を示した。  PSC(25例)とNSCLC(45例)全体の全生存期間(OS)中央値は12.5ヵ月という成績であった(追跡期間中央値28.4)。18ヵ月OS率は42%、24ヵ月OS率は31%である。

ニボルマブ、尿路上皮がん術後補助療法と切除不能な進行、再発または転移性食道扁平上皮がん1次治療に対して欧州委員会より承認取得/BMS

 2022年4月5日、ブリストル マイヤーズ スクイブは、PD-L1発現レベル1%以上の根治切除後の再発リスクが高い筋層浸潤性尿路上皮がんの術後補助療法、切除不能な進行、再発または転移性食道扁平上皮がん(ESCC)の1次治療薬として、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)が欧州委員会より承認を受けたことを発表した。ESCCに関してはニボルマブとイピリムマブの併用療法、ニボルマブとフルオロピリミジン系およびプラチナ系薬剤を含む化学療法の併用療法の2つで承認を取得した。今回発表されたのは、CheckMate-274試験(尿路上皮がん)、CheckMate-648試験(ESCC)の結果に基づいたものである。

HPVワクチン積極的勧奨再開にあわせたイベント&患者説明用フライヤー

 HPVワクチンは2013年に定期接種の対象となったが、その後に相次いで副反応疑いの事例が報告されたため、厚労省は接種を個別に呼びかける「積極的勧奨」を中断していた。その後、ワクチンの有効性に関するエビデンスが蓄積し、さらにはワクチン接種後の多様な症状とワクチン接種の関係を否定する報告などを背景に、今年4月より9年振りに積極的勧奨が再開されている。  今回の勧奨再開によって、定期接種の対象となる小学校6年生~中学3年生相当年齢の女子に対し、自治体から接種の案内が送付されるようになる。無料接種が可能なのは2価・4価ワクチンで、9価ワクチンや男性の接種は自費となる。併せて、積極的勧奨中断で接種機会を逃した1997~2006年生まれの女性が無料で接種を受けられる「キャッチアップ接種」や、定期接種の対象期間を過ぎて自費で接種を受けた人へ接種費用を払い戻す制度も用意されている。