ジャーナル四天王(NEJM ・ Lancet ・ JAMA ・ BMJ )最新ニュース|page:232

64列CT、冠動脈疾患の診断に有用だが従来法より優るとはまだ言えない

64列マルチスライスCTは冠動脈疾患の診断に有用だが、現段階では従来法に取って代わるほどではないことが、ジョンズホプキンス大学医学部のJulie M. Miller氏らによる国際的な多施設共同試験CORE64(Coronary Artery Evaluation Using 64-Row Multidetector Computed Tomography Angiography)の結果として報告された。これまでマルチスライスCTの診断精度については十分な検証が行われていなかった。NEJM誌2008年11月27日号掲載より。

遺伝子型スコアは2型糖尿病リスクの予測能に優れているか?

遺伝性の2型糖尿病のリスクの予測に新時代到来か? 家族性糖尿病を有する人は有さない人に比べ2~6倍のリスク増大がある。また最新の研究で、複数の遺伝子座が2型糖尿病のリスクと関連していること(リスク対立遺伝子ごとに5~37%増大)が証明されたことを受け、マサチューセッツ総合病院遺伝子治療部門のJames B. Meigs氏らは、これら遺伝子座に関する知見を用いることで糖尿病リスクの予測は、従来の臨床的なリスクファクターのみを用いた場合の予測能よりも優れたものとなるのではとの仮説を立て検証を行った。NEJM誌2008年11月20日号より。

冠動脈性心疾患、うつ症状による心血管イベントリスクの増大は運動不足などが原因

冠動脈性心疾患でうつ症状のある人は、心血管イベントのリスクが高いことは知られているが、その原因は、運動不足などのうつ症状に付随する行動的要因にあるようだ。米サンフランシスコVA Medical CenterのMary A. Whooley氏らが、安定冠動脈性心疾患の1,000人超について追跡し、明らかにしたもので、JAMA誌2008年11月26日号で発表した。これまで、うつ症状が心血管イベントリスクを増大することは明らかになっていたが、その要因については不明だった。

米オレゴン州肝移植、MELDスコア導入後に人種間格差なくなる

米国オレゴン州で、肝移植のレシピエント決定に際し、Model For End-Stage Liver Disease (MELD)スコアを導入して以後、黒人と白人の明らかな人種間格差がなくなったことが、米Duke大学のCynthia A. Moylan氏らの調べで明らかにされた。JAMA誌2008年11月26日号で掲載されている。同州では2002年2月から、肝移植の緊急性を示す指標としてMELDスコアを導入している。

ボーナス付きP4Pが住民健康格差を解消

イギリスでは2004年に、開業医に対して新たにQOF(quality and outcomes framework)という診療報酬支払制度(P4P:pay for performance)が導入された。プライマリ・ケアの構成、プロセス、予後を135のパフォーマンス指標(現在)で評価し、指標の目標値達成の場合ボーナスが支給されるというもので、契約開業医の年収は30%強増したと言われている。指標の大半は健康保持・増進、疾病予防に関するもので、慢性疾患を有する45歳以上の全患者については血圧モニタリングが毎年義務づけられている。この制度導入には、生活レベルの異なる地域住民間の健康格差解消も期待されていた。ロンドン大学医療・社会・ケア調査部門/一般診療・プライマリ・ケア部門のMark Ashworth氏らが、導入後3ヵ年(2005~2007年)の推移について調査をしたところ、ねらいどおりの変化が起きていることが報告された。BMJ誌2008年11月22日号(オンライン版2008年10月17日号)掲載より。

アメリカ医療研究品質機構のノウハウを活用して患者安全指標はつくれそうだ

患者安全は国際的な問題だが、その指標づくりは容易ではない。アメリカには、医療研究品質機構(AHRQ:Agency for Healthcare Research and Quality:http://www.ahrq.gov/)が病院診療データを基に開発した患者安全の指標があり、数ヵ国がその指標を自国の患者安全指標づくりに活用しているがイギリスでも活用できないか。Healthcare Commission(ロンドン)のVeena S Raleigh氏らが、29あるAHRQの指標のうち9つについて症例対照試験を行い有用性を検証した。BMJ誌2008年11月22日号(オンライン版2008年10月17日号)掲載より。

ゲフィチニブは進行非小細胞肺癌の2nd-line治療として妥当:INTEREST試験

再発進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対するゲフィチニブ(商品名:イレッサ)療法の有用性は標準治療であるドセタキセル療法に劣らないため、進行NSCLCの2nd-line治療として妥当であることが、国際的な第III相試験INTEREST試験で明らかとなった。米テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのEdward S Kim氏が、Lancet誌2008年11月22号で報告した。

HIV感染乳児への抗レトロウイルス療法戦略

HIV感染乳児は年長児よりも疾患の進行が早く、死亡率も高い。特にCD4リンパ球の割合(CD4パーセンテージ)が高いほどその傾向が強まる。そのため抗レトロウイルス療法の早期開始が求められるが、利用できる薬剤や毒性の問題などが解決されていなかった。本報告は、HIV感染乳児への抗レトロウイルス療法戦略を検討するChildren with HIV Early Antiretroviral Therapy(CHER)試験のフェイズIIIからの早期アウトカムの報告で、NEJM誌2008年11月20日号に掲載された。

ロスバスタチン、健康そうな人にも有益:JUPITER

高脂血症治療薬ロスバスタチン(商品名:クレストール)について、高脂血症ではない(LDL-C値が正常か低値)が高感度CRP(C反応性蛋白)が上昇している健康そうな人も、投与によって利益が得られることが報告された。高感度CRPは炎症バイオマーカーで、心血管イベントを予測できる。スタチンがコレステロールだけでなくCRPも低下することから検証されたJUPITER試験の結果で、NEJM誌2008年11月20日号(オンライン版2008年11月9日号)にて掲載された。

停留睾丸の男児に、クラインフェルター症候群などの遺伝子変調が高率

持続性または両側性の停留睾丸の男児には、クラインフェルター症候群などの遺伝子変調が、そうでない男児より高率で見られることが明らかにされた。これは、イタリアUniversity of PadovaのAlberto Ferlin氏らが、600人の停留睾丸の男児について行ったケース・コントロール試験で明らかにしたもので、JAMA誌2008年11月19日号で発表されている。

イチョウ葉エキスに認知症予防効果なし

イチョウ葉エキス(学術名:ギンコウ・ビロバ)サプリメントには、認知症の発症予防効果はないようだ。米National Center for Complementary and Alternative MedicineのSteven T. DeKosky氏らが、5ヵ所の医療施設で行った、無作為化プラセボ対照二重盲検試験で明らかにしたもので、JAMA誌2008年11月19日号で発表された。ギンコウは、認知力や記憶力の温存に効果があるとして広く使われているものの、これまで、その効果の有無を示す適切な研究は少なかった。

医学生の不節制飲酒を正すためにも

米国医学生の多飲、不節制飲酒は、同年代で広がっているほどではないものの、ごく一般的に見られること、また医学教育のルーチンな臨床トレーニングとして、飲酒に関するスクリーニングやカウンセリングを取り入れることが、ガイドラインで推奨され費用対効果に優れたカウンセリングによる患者ケアの実施率を上げ、学生および一般の多飲酒者を減らすことに結びつくとの報告が、ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)のErica Frank氏らによって報告された。BMJ誌2008年11月15日号(オンライン版2008年11月7日号)より。

カウンセリングに「満足」→消耗感軽減→労働時間短縮:ノルウェー医師

医師のメンタルヘルスに関して、バーンアウト(燃え尽き症候群)や情緒的消耗感予防のためにも早期介入が必要であるとの研究報告は多いが、介入を評価した報告はほとんどなく、あっても追跡期間が短い。Modum Bad Research Institute/オスロ大学(ノルウェー)のKarin E Isaksson Ro氏らは、ストレス下にある医師へのカウンセリング介入後1年間追跡調査を行い、バーンアウトのレベルや変化の現れを調査した。BMJ誌2008年11月15日号(オンライン版2008年11月11日号)より。

注射薬の使用状況とHIV有病率に関連はあるか?

最近10年で注射薬の使用国が増加しており、注射薬使用者はHIV有病率が高く、これは実質的に世界規模の保健課題であることが、Bradley M Mathers氏ら国連の委託によるHIVおよび注射薬使用に関する研究グループ(Reference Group to the UN on HIV and Injecting Drug Use)の系統的なレビューで明らかとなった。Lancet誌2008年11月15日号(オンライン版2008年9月24日号)掲載の報告。

rofecoxibによる心血管毒性は投与中止後も持続

シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)の選択的阻害薬であるrofecoxib(商品名:Vioxx)の大腸腺腫性ポリープに対する有効性を検討したAPPROVe(Adenomatous Polyp Prevention on Vioxx)試験の最終解析において、心血管イベントの発生リスクが約1.8倍に上昇した状態が、同薬剤の投与中止後少なくとも1年間は持続することがわかった。アメリカ・Dartmouth医科大学地域・家庭医療学のJohn A Baron氏が、Lancet誌2008年11月15日号(オンライン版2008年10月14日号)で報告した。

重度強迫性障害への視床下核電気刺激療法は副作用に注意

重度難治性の強迫性障害(obsessive-compulsive disorder:OCD)は、強迫観念や強迫行為、儀式行為などによる時間の浪費、閉じこもりなどによって生活が困難になるといった特性が見られる疾患である。このOCDの治療の選択肢として近年、行動療法や薬物治療とならんで、パーキンソン病による運動障害の治療法として有用性が確認されている視床下核への電気刺激療法が提唱されている。その有効性と安全性に関する臨床試験を行った、フランス国立衛生研究所(INSERM)のLuc Mallet氏らSTOC研究グループによる結果が、NEJM誌2008年11月13日号に掲載された。

BMIに加え腹囲、ウエスト・ヒップ比も

肥満と死亡リスクの関連を評価する際、従来の研究では主に身長と体重から算出するBMIに依り、体脂肪の分布はほとんど検討されていない。しかし臀大腿部肥満よりも腹部肥満のほうが慢性疾患リスクと密接に関連し、腹囲あるいはウエスト・ヒップ比がBMIよりも予測因子として優れている可能性が示唆されてもいる。そこで、独Institute of Human NutritionのT. Pischon氏らは、欧州における癌と栄養に関する大規模な前向き調査(EPIC)参加者を対象に、BMIに腹囲、生活習慣などを加え死亡率との関係について分析を行った。NEJM誌2008年11月13日号掲載より。

2型糖尿病日本人患者への低用量アスピリン投与:JPAD報告

2型糖尿病患者に対し低用量アスピリンを投与しても、アテローム性動脈硬化症イベントの発症予防には効果が認められない。これは熊本大学大学院循環器病態学教授の小川久雄氏らが行った、日本人2型糖尿病患者2,539人を対象とするJapanese Primary Prevention of Atherosclerosis With Aspirin for Diabetes(JPAD)の研究結果で、JAMA誌11月12日号(オンライン版2008年11月9日号)で公表された。低用量アスピリンのアテローム性動脈硬化症イベントの予防効果について、2型糖尿病患者を対象に行った研究は珍しい。

ビタミンE・Cどちらも心血管疾患予防(50歳以上男性)に効果なし

50歳以上の男性に対して、ビタミンEやビタミンCを投与しても、心血管疾患イベントの予防には効果がないようだ。米Harvard大学医学部のHoward D. Sesso氏らが、約1万5,000人の男性医師を対象にした大規模試験「Physicians’ Health Study II」で明らかにしたもので、JAMA誌2008年11月12日号(オンライン版2008年11月9日号)で発表した。これまでに、ビタミンEやCが心血管疾患予防に効果があることを示した研究はあるが、元々リスクの低い男性を対象にした長期の研究結果は珍しい。