ミスマッチ修復機能欠損の局所進行直腸がん、PD-1阻害薬単独で治癒?/NEJM

ミスマッチ修復機能欠損を有する局所進行直腸がんは、PD-1阻害薬のみの治療で治癒する可能性が高いことが、米国・メモリアルスローンケタリングがんセンターのAndrea Cercek氏らが行った、前向き第II相試験の結果、示された。局所進行直腸がんは、術前化学療法と放射線療法、その後の手術療法が標準治療となっているが、ミスマッチ修復機能欠損を有する局所進行直腸がんでは、標準的な化学療法では十分な奏効を得られないことが示されていた。一方で、転移を有する患者および治療抵抗性の患者における免疫チェックポイント阻害薬のみの客観的奏効率は33~55%と、第一選択薬として非常に有効であることが報告されており、研究グループはこれらの知見に基づき、PD-1阻害薬の単剤投与が、ミスマッチ修復機能欠損の局所進行直腸がんに有益であるとの仮説を立て、dostarlimabによる術前化学療法の奏効率を調べる試験を行った。NEJM誌オンライン版2022年6月5日号掲載の報告。