複合アウトカムを信用してはいけない?

臨床試験で使用される複合アウトカム(composite outcome)は、多くの場合、個々のアウトカムを組み合わせる根拠が不十分で、定義に一貫性がなく、報告も正確性を欠いていることが、デンマーク・コペンハーゲン大学のGloria Cordoba氏らによる系統的なレビューによって明らかとなった。複合アウトカムによる評価では、個々のアウトカムのうち最も重要な項目の有効性が最低だったり、重要性が低い項目の有効性が最も高くなる場合が多いが、複合アウトカムの結果が統計学的に有意な場合、このデータを見た臨床医は有効性が低いにもかかわらず重要アウトカムを予測しがちだという。複合アウトカムを用いる主な利点は、統計学的に十分なイベント数を確保してサンプル数を少なくし、コストと時間を節減することだが、統計学的な有意性を確実なものにするには、複合アウトカムに含める個々のアウトカムの選択基準を確立すべきとの見方もある。BMJ誌2010年8月21日号(オンライン版2010年8月18日号)掲載の報告。