BRAF V600E遺伝子変異大腸がん、MAPK経路標的の3剤併用は?/NEJM

BRAF V600E遺伝子変異陽性の転移を有する既治療大腸がん患者の治療では、エンコラフェニブ(BRAF阻害薬)+セツキシマブ(抗EGFRモノクローナル抗体)+ビニメチニブ(MEK阻害薬)併用療法およびエンコラフェニブ+セツキシマブ併用療法は標準治療と比較して、いずれも全生存(OS)期間を有意に延長し、奏効率も有意に高いことが、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのScott Kopetz氏らが行ったBEACON CRC試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2019年9月30日号に掲載された。BRAF V600E遺伝子変異陽性の転移を有する大腸がんの予後は不良であり、初回治療不成功後のOS期間中央値は4~6ヵ月とされる。また、BRAFだけを阻害しても、上皮成長因子受容体(EGFR)シグナル伝達を介して伝達路が再活性化されるため、腫瘍縮小効果は限定的だという。この3剤併用レジメンは、MAPKシグナル伝達経路を最も効果的に阻害する併用療法としてデザインされた。