患者と医師で分かれるうつ病重症度判定表に対する評価:イギリス

イギリスのNHS(国民健康保険制度)では1998年以降、QOF(医療の質とアウトカムの枠組み)が導入され、プライマリ・ケアを担うかかりつけ医の業績を、数値化した指標で評価している。この枠組みの中で2006年4月以降、初診時全患者について、公認された判定表を用いてうつ病重症度を評価するようインセンティブが与えられるようになった。目的は、中等度~重度うつ病患者の過少治療(特に抗うつ薬投与)を改善することにある。しかし、実際には臨床的な判断を優先し、必ずしも判定表の結果に即した治療は行われていない実態が指摘されている。この問題について、リバプール大学プライマリ・ケア部門のChristopher Dowrick氏らが、医師と患者を対象に調査を行った。BMJ誌2009年3月28日号(オンライン版2009年3月19日号)掲載より。