腹腔鏡下手術のスキルは、実地前にバーチャル・トレーニングで磨くべき

提供元:ケアネット

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公開日:2009/06/05

 



腹腔鏡下手術のスキルは、熟達者ベースのバーチャル・リアリティ・シミュレーターによるトレーニングで、臨床レベルと同等の経験値を積むことができることが報告された。デンマーク・コペンハーゲン大学病院婦人科/Juliane Marie小児センター/女性・生殖部門のChristian R Larsen氏らが、婦人科・産科を専攻した研修医(1、2年生)を対象に行った前向き無作為化試験の結果、明らかにされた。BMJ誌2009年5月23日号(オンライン版2009年5月14日号)より。

腹腔鏡下卵管切除のスキルをどれぐらい磨けるかを検証




試験は、デンマーク・ジーランド地方の7つの婦人科学部から24人が参加し、腹腔鏡下で行う卵管切除を熟達者ベースのバーチャル・リアリティ・シミュレーターでトレーニングする群(シュミレーター・トレーニング群)と、標準的な臨床教育を受ける群(対照群)とに無作為に割り付けられ、技術的パフォーマンスの向上(主要評価項目)、手術時間(分単位、副次評価項目)が評価された。評価は、2人の独立した観察者によって、事前に特定されたスケールを用い、研修医およびトレーニングステータスはブラインドされた状態で行われた。

20~50例の経験値積み上げに相当、対照群の経験値積み上げは5例未満




シュミレーター・トレーニング群(n=11)の中央値トータルスコアは、33ポイント(四分位範囲:32~36ポイント)だった。これは、20~50例の腹腔鏡下手術の経験を積んだレベルに相当した。一方、対照群(n=10)は、23ポイント(22~27ポイント)で、5例未満の経験値に相当するレベルにしか達していなかった(P<0.001)。

手術時間(中央値)については、シュミレーター・トレーニング群は12分(四分位範囲:10~14分)、対照群は24分(20~29分)だった(P<0.001)。

Larsen氏は、「技術が未熟な研修医のパフォーマンス・レベルは、シュミレーター・トレーニングによって、経験豊かな技術者の中間位レベルまで引き上げることができ、手術時間も半減できた。腹腔鏡下手技のシュミレーター・トレーニングの導入を考慮すべきである」と結論している。