加齢黄斑変性症の新たな関連遺伝子が明らかに

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加齢黄斑変性症(AMD)にはC1阻害因子をコードしているSERPING1遺伝子の変異が重要な影響を及ぼしていることが、イギリスで実施された症例対照研究で明らかとなった。Southampton大学ヒト遺伝学部門のSarah Ennis氏が、Lancet誌2008年11月22日号(オンライン版2008年10月7日号)で報告した。

SERPING1遺伝子のSNPバリアントのみがAMDと有意に関連




AMDは先進国における視覚障害や失明の最も一般的な形態である。AMDの分子レベルの原因究明においては、遺伝子研究が大きな進歩をもたらしており、補体H因子(CFH)遺伝子の変異やHTRA1/LOC387715/ARMS2遺伝子を含む第10番染色体上の遺伝子座が同定されている。また、補体3(C3)遺伝子のバリアントや、B因子、C2の遺伝子の双方を含むHLAの遺伝子座の重要性も指摘されている。

研究グループは、AMDの遺伝学的なリスク因子をさらに評価するために2段階の症例対照研究を実施した。AMD 479例および対照479例を登録し、93の一塩基多型(SNPs)を用いて32の遺伝子を低密度遺伝子型決定法で検索した。

AMDと機能的に関連している可能性のある候補遺伝子を選択した。重要な発見は、アメリカで実施された別のAMDコホート(248例)と対照(252例)の試験を参照し、関連シグナルを高密度遺伝子型決定法にて確定した。

SERPING1遺伝子のイントロン6に局在するSNPバリアントであるrs2511989が、AMDと有意な遺伝学的な関連を示した(p=0.00372)。しかし、残りの31の遺伝子候補はAMDとの関連を認めなかった。

AMDにおける野生型のG/Gホモ接合体に対するrs2511989のG/Aヘテロ接合体のオッズ比は0.63であり、野生型のA/Aホモ接合体と比較した場合のrs2511989のG/Aヘテロ接合体のオッズ比は0.44であった。同様の遺伝子型の関連性がアメリカのコホートでも観察された。

高密度遺伝子型決定法によるSERPING1遺伝子領域の2回目の解析では、AMDに関連する5つのSNPバリアントが同定された。

著者は、「AMDにはSERPING1遺伝子の変異が重要な影響を及ぼしている」と結論し、「SERPING1遺伝子はC1阻害因子をコードしている。C1阻害因子は補体構成因子1(C1)の阻害において重要な役割を担っており、AMDにおける古典的な補体活性化の経路に関与している可能性がある」と考察している。

(菅野守:医学ライター)

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