化学療法を受けた患者で多くみられる化学療法誘発性血小板減少症(CIT)を有する患者に、ロミプロスチムが有効であることが示された。米国・マサチューセッツ総合病院のHanny Al-Samkari氏らが、14ヵ国で実施した多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「RECITE試験」の結果を報告した。CITは出血や相対用量強度の低下と関連し、予後の悪化につながる可能性があるが、広く利用可能な承認薬は存在していなかった。NEJM誌2026年3月12・19日合併号掲載の報告。
消化器がん治療中のCIT、ロミプロスチムvs.プラセボの有効性と安全性を検証
RECITE試験の対象は、大腸がん、胃食道がんまたは膵がんに対し病期や治療ラインを問わずオキサリプラチンを含む多剤併用化学療法を受けており、持続性CIT(前サイクルの最低値からの回復期間にかかわらず、試験1日目の血小板数が85×10
9/L以下)を有し、かつ3サイクル以上の化学療法が予定されている患者であった。
研究グループは、適格患者をロミプロスチム群またはプラセボ群に2対1の割合で無作為に割り付けた。ベースラインの血小板数(<50×10
9/L vs.≧50×10
9/L)およびがん種で層別化も行った。
主要評価項目は、予定された化学療法の第2および第3サイクルにおいて、CITによる化学療法の用量変更(減量、遅延、休薬または中止)がなかった患者の割合であった。
2019年9月30日~2023年10月24日に165例が登録され無作為化された。主要解析のデータカットオフ日は2024年1月25日、追跡調査の最終来院日は2025年1月9日であった。
化学療法の用量変更なし、ロミプロスチム群84%vs.プラセボ群36%
165例(ロミプロスチム群109例、プラセボ群56例)の患者背景は、大腸がん75%、胃食道がん13%、膵がん12%で、ロミプロスチム群の72%、プラセボ群の61%がStageIVであった。
CITによる化学療法の用量変更がなかった患者の割合は、ロミプロスチム群84%(92/109例)、プラセボ群36%(20/56例)で、オッズ比は10.16(95%信頼区間[CI]:4.44~23.72、p<0.001)、リスク比は2.77(95%CI:1.78~4.30、p<0.001)であった。
Grade3以上の有害事象はロミプロスチム群で37%、プラセボ群で22%に、治験責任医師がロミプロスチムまたはプラセボに関連すると判断した有害事象(副作用)はそれぞれ12%および7%に発現した。
主な副作用は悪心(両群とも2%)、頭痛(ロミプロスチム群2%、プラセボ群0%)であった。重篤な副作用、ロミプロスチム、プラセボまたは化学療法の中止に至った副作用、および死亡に至った副作用は認められなかった。ロミプロスチム群でのみ、2例(2%)に血栓塞栓症が発現した。
(医学ライター 吉尾 幸恵)