無症候性新型コロナ感染、ワクチン完了で発生率86%減/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2021/05/20

 

 イスラエル・テルアビブの3次医療センター(1ヵ所)に勤務する医療従事者について、新型コロナワクチン「BNT162b2」(Pfizer-BioNTech製)の接種完了者は非接種者と比べて、2回目接種後7日超の症候性および無症候性のSARS-CoV-2感染の発生率が有意に減少したことを、同国Tel Aviv Sourasky Medical CenterのYoel Angel氏らが報告した。なお、結果は観察デザインに基づく調査のため限定的だとしている。症候性SARS-CoV-2感染へのBNT162b2ワクチンの有効性については、無作為化試験で推定値が示されているが、無症候性SARS-CoV-2感染への効果については不明であった。JAMA誌オンライン版2021年5月6日号掲載の報告。

接種完了を、2回目接種後7日超と定義

 研究グループは、2020年12月20日~2021年2月25日に、テルアビブの3次医療センターに勤務する医療従事者について行われた鼻咽頭スワブによるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査の結果から、症候性および無症候性SARS-CoV-2感染者に関するデータを集めて分析した。ロジスティック回帰法にて、ワクチン接種完了群と非接種群の感染を、発生率比(IRR)を求めて比較した。被験者の居住地やPCR検査回数によって補正を行った。

 ワクチン接種歴は、職場の健康データベースから入手し、接種完了は2回目接種後7日超が経過していることと定義した。

 主要アウトカムは、ワクチン接種完了群vs.非接種群の症候性および無症候性SARS-CoV-2に関する補正後IRRであった。副次評価項目は、ワクチン1回接種群(1回目接種後7~28日)に関するIRR、ワクチン接種完了21日超群に関するIRRなどだった。

無症候性SARS-CoV-2、ワクチン接種完了群で86%減

 被験者の医療従事者は6,710例で、平均年齢は44.3(SD 12.5)歳、女性は4,465例(66.5%)だった。追跡期間の中央値は63日で、BNT162b2ワクチンの1回以上接種者は5,953例(88.7%)、2回接種者は5,517例(82.2%)、非接種者は757例(11.3%)だった。ワクチン接種者はより高年齢(平均年齢:接種者44.8歳、非接種者40.7歳)で、男性の割合が高かった(それぞれ、31.4%、17.7%)。

 症候性SARS-CoV-2感染は、ワクチン接種完了群8例、非接種群38例で発生した。感染の発生率はそれぞれ、4.7件/10万人日、149.8件/10万人日で、補正後IRRは0.03(95%信頼区間[CI]:0.01~0.06)だった。また、無症候性SARS-CoV-2感染は、ワクチン接種完了群19例、非接種群17例で、それぞれ発生率は11.3件/10万人日、67.0件/10万人日、補正後IRRは0.14(95%CI:0.07~0.31)だった。

 傾向スコア感度分析を行っても、結果に質的変化はなかった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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コメンテーター : 山口 佳寿博( やまぐち かずひろ ) 氏

東京医科大学 呼吸器内科 客員教授

健康医学会附属 東都クリニック