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リンチ症候群の大腸がん予防にアスピリンが有効/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2020/06/30

 

 リンチ症候群は、大腸がんのリスクを増大させ、他の広範ながん、とくに子宮内膜がんと関連する。英国・ニューカッスル大学のJohn Burn氏ら「CAPP2試験」の研究グループは、リンチ症候群における大腸がんの予防において、アスピリンの2年投与はプラセボに比べ、その発症を有意に抑制することを確認した。研究の成果は、Lancet誌2020年6月13日号に掲載された。本試験では、2011年(平均フォローアップ期間55.7ヵ月[SD 31.4])の時点におけるアスピリンによる遺伝性大腸がんの予防効果を報告している。今回、予定されていた10年間のフォローアップを終了したことから、この高リスク集団における定期的なアスピリン服用の長期的な有効性のデータが報告された。

アスピリン長期投与の予防効果を評価する無作為化試験

 本研究は、欧州、オーストララシア、アフリカ、南北アメリカ大陸の43施設が参加した二重盲検無作為化試験であり、1999年1月~2005年3月の期間に患者登録が行われた(Cancer Research UKなどの助成による)。

 対象は、年齢26歳以上、DNAミスマッチ修復遺伝子変異の保持者と証明された患者(遺伝子診断)、およびアムステルダム診断基準を満たし、治癒したリンチ症候群による新生物の既往歴があるが、腸管にはほとんど損傷がない患者家族に属する患者(臨床的診断)であった。

 被験者は、アスピリン(600mg/日)またはプラセボを投与する群に無作為に割り付けられた。2年間の介入が行われ、さらに2年間の継続が選択可能とされた。解析には、10~20年間、がんのアウトカムのモニタリングを受けたイングランド、フィンランド、ウェールズの参加者のデータを用いた。

 主要評価項目は大腸がんの発生とし、intention to treat解析とper protocol解析を行った。

大腸がんリスク35%低下、至適用量の非劣性試験が進行中

 適格基準を満たしたリンチ症候群937例の平均年齢は45歳であった。このうち861例が無作為割り付けの対象となり、アスピリン群に427例、プラセボ群には434例が割り付けられた。

 平均介入期間は25.2ヵ月(SD:13.4、範囲:0.8~74.4)であり、平均フォローアップ期間は118.4ヵ月(63.5、1.1~238.9)であった。この間に、アスピリン群は9%(40/427例)、プラセボ群は13%(58/434例)で大腸がんが発生した。

 Cox比例ハザードモデルを用いたintention to treat解析では、アスピリン群はプラセボ群に比べ、大腸がんのリスクが有意に低かった(ハザード比[HR]:0.65、95%信頼区間[CI]:0.43~0.97、p=0.035)。リンチ症候群のがんスペクトルにおけるすべての原発がんを考慮して、負の二項回帰モデルで解析したところ、アスピリンの保護効果に関して同様のエビデンスが得られた(発生率比:0.58、95%CI:0.39~0.87、p=0.0085)。

 また、2年間の介入を完了した509例(67イベント)のper protocol解析では、HRは0.56(95%CI:0.34~0.91、p=0.019)、発生率比は0.50(0.31~0.82、p=0.0057)であり、アスピリン群で発がんのリスクが低かった。

 リンチ症候群関連の大腸がん以外のがんは、両群とも36例で発生した。intention to treat解析(HR:0.94、95%CI:0.59~1.50、p=0.81)およびper protocol解析(0.75、0.42~1.34、p=0.33)ともに、発がんのリスクに関して両群間に差は認められなかった。

 これらを合わせたすべてのリンチ症候群関連がんの発生については、intention to treat解析(HR:0.76、95%CI:0.56~1.03、p=0.081)では有意な差はなかったが、per protocol解析(0.63、0.43~0.92、p=0.018)ではアスピリン群で発がんのリスクが有意に低下していた。

 介入期間中の有害事象は、アスピリン群とプラセボ群で類似していた。また、介入期の完全なデータのある患者では、介入群間で服薬コンプライアンスに有意な差はみられなかった。

 著者は、「リンチ症候群では、少なくとも2年間、毎日600mgのアスピリンを服用することで、将来の大腸がんのリスクが有意に減少するが、この効果は少なくとも4年間は明らかにならない点に留意する必要がある」とまとめ、「現在進行中のCaPP3試験は、用量の非劣性試験であり、がん予防と有害事象のバランスに関する至適な用量について、有益な情報をもたらすだろう」としている。

(医学ライター 菅野 守)

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