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COVID-19関連の超過死亡算出するオンラインツール開発/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2020/05/26

 

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行の医学的、社会的、経済的な影響は、総人口死亡率に未知の作用を及ぼしているといわれる。これまでの死亡率モデルは、高リスクの基礎疾患や、それらのより長期のベースライン(COVID-19流行以前)の死亡率は考慮されていないが、英国・University College LondonのAmitava Banerjee氏らは、さまざまな感染抑制レベルに基づくCOVID-19発生のシナリオと、基礎疾患の相対リスクに基づく死亡率の影響を考慮して、COVID-19の世界的流行から1年間の超過死亡者数を、年齢、性、基礎疾患別に推定するモデルを確立するとともに、これを算出するオンラインツールを開発し、プロトタイプを公開した(オンラインリスク計算機のプロトタイプ)。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2020年5月12日号に掲載された。

電子健康記録データを用いて超過死亡を推定するコホート研究

 研究グループは、英国のプライマリケアおよびセカンダリケアの電子健康記録(Health Data Research UKのCALIBER)にリンクされたデータを用いて人口ベースのコホート研究を行った(英国国立衛生研究所[NIHR]University College London病院バイオメディカル研究センターなどの助成による)。
 
 1997~2017年の期間に、医療機関に登録された30歳以上の個人を対象に、Public Health Englandのガイドラインで定義された基礎疾患の有病率(2020年3月16日以降)を調査した。
 
 COVID-19の世界的流行の相対的影響を、COVID-19流行前のバックグラウンド死亡率と比較した相対リスク(RR)とし、RRを1.5、2.0、3.0と仮定した場合に、完全抑制(0.001%)、部分抑制(1%)、軽減(10%)、何も対策をしない(80%)などの異なる感染率のシナリオで、COVID-19関連の超過死亡の簡略なモデルと計算ツールを開発し、各疾患の1年間の死亡率を推定した。

 また、超過死亡を推算するためのオンライン公開用のプロトタイプのリスク計算機を開発した。

超過死亡に直接・間接に及ぼす全体の影響の評価が必要

 386万2,012人(女性195万7,935人[50.7%]、男性190万4,077人[49.3%])を対象とした。対象の20%以上が高リスクであり、そのうち13.7%が70歳以上の高齢者で、6.3%は1つ以上の基礎疾患を有する70歳以下の高齢者と推定された。

 高リスク集団の1年死亡率は4.46%(95%信頼区間[CI]:4.41~4.51)と推定された。年齢と基礎疾患が複合的にバックグラウンドリスクに影響を及ぼし、疾患によって死亡率に顕著なばらつきが認められた。

 英国の集団における完全抑制のシナリオでは、超過死亡者数(COVID-19流行前のベースラインの死亡との比較)は、RRが1.5の場合は2人、RRが2.0で4人、RRが3.0では7人と推定された。

 また、軽減シナリオでは、RRが1.5の超過死亡者数は1万8,374人、2.0で3万6,749人、3.0では7万3,498人と推定された。何も対策をしないシナリオの超過死亡者数は、RRが1.5の場合は14万6,996人、2.0で29万3,991人、3.0では58万7,982人であった。

 著者は、「これらの結果は、持続的で厳格な抑制対策とともに、基礎疾患があるため最もリスクが高い集団を対象に、さまざまな予防介入による継続的な取り組みを行う必要性を示唆する。各国は、COVID-19の世界的流行が超過死亡に直接・間接に及ぼす全体的な影響を評価する必要がある」と指摘している。

(医学ライター 菅野 守)