大腸がん治療へのビタミンD補充、高用量 vs.標準用量/JAMA

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大腸がん治療へのビタミンD補充、高用量 vs.標準用量/JAMAのイメージ

 切除不能大腸がんの治療における標準化学療法へのビタミンD3補充療法の併用では、高用量は標準用量と比較して無増悪生存を改善しないことが、米国・ダナ・ファーバーがん研究所のKimmie Ng氏らが行ったSUNSHINE試験で示された。研究の成果は、JAMA誌2019年4月9日号に掲載された。転移を有する大腸がんの前向き観察研究により、血漿25ヒドロキシビタミンD(25[OH]D)値が高いほうが、生存は良好と報告されている。この知見を確証するための無作為化試験の実施が求められていた。

高用量のPFS改善効果を評価する米国の無作為化第II相試験
 本研究は、米国の11施設で行われた多施設共同二重盲検無作為化第II相試験であり、2012年3月~2016年11月の期間に患者登録が行われた(米国国立がん研究所[NCI]などの助成による)。

 対象は、病理学的に確認された切除不能な局所進行または転移を有する大腸腺がんの患者139例(平均年齢56歳、女性43%)であった。全例に、修正FOLFOX6(mFOLFOX6)+ベバシズマブが、14日(1サイクル)ごとに投与された。これらの患者が、ビタミンD3の高用量(69例)または標準用量(70例)を投与する群に無作為に割り付けられた。

 高用量群には、1サイクル目に8,000IU/日(4,000IUカプセルを2つ)を投与し、その後のサイクルでは4,000IU/日を投与した。標準用量群には、全サイクルで400IU/日(400IUカプセル1つとプラセボカプセル1つ)を投与した。治療は、病勢進行、耐用不能な毒性、同意撤回のいずれかが発生するまで継続した。

 主要エンドポイントは無増悪生存期間(PFS)とした。副次エンドポイントには、客観的奏効率(ORR)、全生存期間(OS)、血漿25(OH)D値の変化が含まれた。

25(OH)D値は高用量群で有意に高い
 全体のフォローアップ期間中央値は22.9ヵ月であった。両群とも、ビタミンD3の服用率の中央値は98%で、アドヒアランスは高かった。

 PFS期間中央値は、高用量群が13.0ヵ月(95%信頼区間[CI]:10.1~14.7)、標準用量群は11.0ヵ月(9.5~14.0)であり、有意な差は認めなかった(非補正log-rank検定p=0.07)。多変量ハザード比(HR)は0.64(0~0.90、p=0.02)であり、有意差が認められた。

 ORR(高用量群58%vs.標準用量群63%、差:-5%、95%CI:-20~100、p=0.27)およびOS期間中央値(24.3 vs.24.3ヵ月、log-rank検定p=0.43)にも、両群に有意差はみられなかった。

 ベースラインの25(OH)Dの中央値は、高用量群が16.1ng/mL、標準用量群は18.7ng/mLであり、有意差はなかった(差:-2.6ng/mL、95%CI:-6.6~1.4、p=0.30)。1回目の病期再評価時(4サイクル終了時、約8週後)には、高用量群で有意に高値となり(32.0ng/mL vs.18.7ng/mL、差:12.8ng/mL、95%CI:9.0~16.6、p<0.001)、2回目の病期再評価時(8サイクル終了時、約16週後、35.2ng/mL vs.18.5ng/mL、16.7ng/mL、10.9~22.5、p<0.001)および治療終了時(34.8ng/mL vs.18.7ng/mL、16.2ng/mL、9.9~22.4、p<0.001)も、高用量群で有意に高い値を示した。

 化学療法+ビタミンD3による最も頻度の高いGrade 3以上の有害事象は、両群とも好中球減少(高用量群35% vs.標準用量群31%)と高血圧(13% vs.16%)であった。Grade 3以上の下痢は高用量群で少なかった(1% vs.12%)。ビタミンD3関連の可能性がある有害事象として、高リン血症(高用量群の1例)と腎臓結石(標準用量群の1例)がみられたが、高カルシウム血症は認めなかった。

 著者は、「これらの知見は、より大規模な多施設共同無作為化臨床試験によって、さらに検討を進めることを正当化するものである」としている。

(医学ライター 菅野 守)

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コメンテーター : 上村 直実( うえむら なおみ ) 氏

国立国際医療研究センター国府台病院 名誉院長

東京医科大学 消化器内視鏡学講座 兼任教授

J-CLEAR評議員

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