経口抗凝固薬+PPIで、上部消化管出血による入院率低下/JAMA

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経口抗凝固薬+PPIで、上部消化管出血による入院率低下/JAMAのイメージ

 経口抗凝固療法における上部消化管出血による入院発生率は、リバーロキサバンを処方された患者で最も高く、アピキサバンが処方された患者で最も低かった。いずれの抗凝固薬も、プロトンポンプ阻害薬(PPI)との併用で同入院発生率は低下することが示された。米国・ヴァンダービルト大学のWayne A. Ray氏らが、後ろ向きコホート研究の結果を報告した。PPIの併用は、経口抗凝固療法でしばしば起こる潜在的に重篤な合併症である上部消化管出血のリスクに影響を与える可能性が示唆されていた。JAMA誌2018年12月4日号掲載の報告。

アピキサバン、ダビガトラン、リバーロキサバン、ワルファリンについて解析
 研究グループは、メディケア受給者を対象として、2011年1月1日~2015年9月30日の間に、PPI非併用/併用療法で抗凝固薬(アピキサバン、ダビガトラン、リバーロキサバン、ワルファリン)を使用している患者の、上部消化管出血による入院発生率を解析した。

 主要評価項目は、上部消化管出血による入院とし、抗凝固療法1万人年当たりの補正後発生率およびリスク差(RD)、発生率比(IRR)を算出した。

 抗凝固薬を投与された新規エピソード171万3,183件を有する164万3,123例の患者が、本研究に組み込まれた(平均[±SD]年齢76.4±2.4歳、女性65万1,427人年[56.1%]、適応症は心房細動が87万330人年[74.9%])。

PPI非併用下ではリバーロキサバンが高く、アピキサバンが低い
 PPI非併用75万4,389人年において、上部消化管出血による入院は7,119件で、補正後発生率は115件/1万人年(95%信頼区間[CI]:112~118)であった。

 薬剤別では、リバーロキサバン(1,278件)が144件/1万人年(95%CI:136~152)、アピキサバン(279件)が73件/1万人年(IRR:1.97[95%CI:1.73~2.25]、RD:70.9[59.1~82.7])、ダビガトラン(629件)が120件/1万人年(IRR:1.19[1.08~1.32]、RD:23.4[10.6~36.2])、ワルファリン(4,933件)が113件/1万人年(IRR:1.27[1.19~1.35]、RD:30.4[20.3~40.6])で、リバーロキサバンが最も高率であった。

 また、アピキサバンの入院発生率は、ダビガトラン(IRR:0.61[95%CI:0.52~0.70]、RD:-47.5[-60.6~-34.3])およびワルファリン(IRR:0.64[0.57~0.73]、RD:-40.5[-50.0~-31.0])よりも有意に低かった。

 PPI併用療法26万4,447人年においては、上部消化管出血による入院は2,245件で、補正後発生率は全体で76件/1万人年であった。PPI非併用と比較し、上部消化管出血による入院のリスクは、全体(IRR:0.66、95%CI:0.62~0.69)、アピキサバン(IRR:0.66[0.52~0.85]、RD:-24[95%CI:-38~-11])、ダビガトラン(IRR:0.49[0.41~0.59]、RD:-61.1[-74.8~-47.4])、リバーロキサバン(IRR:0.75[0.68~0.84]、RD:-35.5[-48.6~-22.4])、ワルファリン(IRR:0.65[0.62~0.69]、RD:-39.3[-44.5~-34.2])のいずれも低かった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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抗凝固薬の選択~上部消化管出血とPPIの必要性(解説:西垣和彦氏)-985

コメンテーター : 西垣 和彦( にしがき かずひこ ) 氏

岐阜市民病院第一内科部長

岐阜大学医学部客員臨床系医学教授

J-CLEAR評議員

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