青年期の運動能力・筋力が高い人は血管疾患リスクが低い/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2015/10/01

 

 青年期に運動能力や筋力が高い人は、いずれも低い人と比べて、血管疾患や不整脈に関する長期リスクが低いことが示された。ただし運動能力と不整脈リスクについての関連はU字型の相関がみられ、運動能力が高く血管疾患リスクが低くてもその健康ベネフィットが、不整脈リスクを上回ることはなかったという。スウェーデン・ウプサラ大学のKasper Andersen氏らが、同国1,100万人の青年について行ったコホート試験の結果、明らかにした。BMJ誌オンライン版2015年9月16日号掲載の報告。

年齢中央値は18.2歳、中央値26.3年追跡
 研究グループは、1972年8月~95年12月にかけて、徴兵義務に参加した1,100万人の男性について、2010年末まで追跡した。運動能力・筋力と、血管疾患とそのサブグループ(虚血性心疾患、心不全、脳卒中、心血管疾患死)のリスク、また、不整脈とそのサブグループ(心房細動や心房粗動、徐脈性不整脈、上室頻拍、心室不整脈、突然心臓死)のリスクとの関連について分析を行った。

 被験者の試験開始時点の年齢中央値は18.2歳で、追跡期間の中央値は26.3年だった。

 最大運動能力は、自転車運動負荷試験の結果から推算した。筋力は、握力計を使った握力測定の結果とした。いずれも中央値を超えた人を、運動能力や筋力が高いと定義した。

運動能力・筋力が高いと、血管イベントリスクは共に低い人の0.67倍に
 追跡期間中に発生した血管疾患イベントは2万6,088件、不整脈イベントは1万7,312件だった。

 運動能力は、血管疾患・サブグループのリスクと逆相関の関連が認められた。また筋力は、血管疾患リスクと逆相関の関連が認められ、筋力の強さと心不全や心血管死リスク低下との関連が認められた。

 運動能力と不整脈リスクにはU字型の相関が認められた。その内容をみてみると、心房細動とは直接の相関が、徐脈性不整脈とはU字型の相関が認められた。また、筋力が高いと不整脈リスクが低くなり、とくに徐脈性不整脈と心室性不整脈のリスクが低下した。

 運動能力も筋力も共に高い人は、いずれも低い人と比べて、血管イベントのハザード比が0.67(95%信頼区間:0.65~0.70)、不整脈イベントのハザード比は0.92(同:0.88~0.97)だった。

(當麻 あづさ:医療ジャーナリスト)

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コメンテーター : 三浦 伸一郎( みうら しんいちろう ) 氏

福岡大学医学部心臓・血管内科学 主任教授

J-CLEAR評議員