E型肝炎ワクチン、4.5年の有効率は?/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2015/03/19

 

 E型肝炎(HEV)ワクチンの予防接種により、防御能4.5年の持続を確認したことが報告された。中国・厦門大学のJun Zhang氏らが、11万例超の成人を対象に行ったプラセボ対照無作為化比較試験の延長追跡調査の結果を発表した。試験に用いられたワクチンは2012年から中国で製造販売されているHecolinで、これまで短期有効性については報告されていたが長期有効性については確認されていなかった。NEJM誌2015年3月5日号掲載の報告より。

E型肝炎ワクチンを0、1、6ヵ月の3回接種

 研究グループは2007年、E型肝炎ワクチンの有効性試験として、16~65歳の健康成人11万2,604例を対象に第III相臨床試験を行い、短期有効性を調べた。被験者を無作為に2群に割り付け、一方にはE型肝炎ワクチンを3回(0、1、6ヵ月)接種し(ワクチン群、5万6,302例)、もう一方の群にはB型肝炎ワクチンを同様に3回接種し(対照群、5万6,302例)、19ヵ月間追跡した。

 今回の延長追跡試験では、二重盲検化したまま最長4.5年間追跡し、有効性と免疫原性、安全性の評価を行った。

E型肝炎ワクチンの有効性86.8%

 追跡期間中にE型肝炎を発症した人は60例で、ワクチン群は7例(0.3例/1万人年)で、対照群は53例(2.1例/1万人年)だった。修正intention-to-treat分析によるE型肝炎ワクチンの有効性は86.8%(95%信頼区間:71~94%)だった。

 免疫原性評価はワクチン群の5,567例について行われた。そのうち52%がベースライン時に血清反応陰性だったが、それらの99.9%がワクチン接種後に免疫を獲得し、うち87%について抗HEV抗体の発現が4.5年間持続していたことが確認された。

 なお、対照群でHEV抗体価が陽性になったのは9%だった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)