糖尿病予防の介入、リスク別が効果的/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2015/03/09

 

 先行研究の無作為化試験で、メトホルミンと生活習慣改善の介入による糖尿病予防プログラムは糖尿病の発症を減少することが示されていたが、その介入効果は糖尿病発症リスクが高い人と低い人では異なることが明らかにされた。米国・ミシガン大学のJeremy B Sussman氏らによる事後分析の結果、メトホルミンの介入効果は高リスクの人に集中してみられること、また生活習慣への介入は高・低リスク群を問わず効果がみられるが、糖尿病発症リスクの最高四分位群で最低四分位群の6倍だった。結果を踏まえて著者は、「予防的治療はリスク層別化をすることで、より効果的に行うことができる」と述べている。BMJ誌オンライン版2015年2月19日号掲載の報告より。

糖尿病予防プログラム試験データを事後分析
 糖尿病ではないが糖代謝異常が認められる外来治療中の患者が参加した糖尿病予防プログラムの無作為化試験の事後分析を行い、プログラムで行われたメトホルミンまたは生活習慣改善の介入のベネフィットが被験者により異なるかを調べた。

 主要評価項目は、糖尿病リスク予測モデルで発症リスクについて層別化したうえで評価した、糖尿病の発症であった。

メトホルミン介入は高リスク群のみで有効、生活習慣改善介入は全リスク群に有効
 ベースライン時の被験者3,081例のうち、追跡期間中央値2.8年の間に655例(21%)が糖尿病へと進行した。

 糖尿病リスク予測モデルの識別能(C統計量0.73)と検定能は良好であった。四分位範囲で最低リスク群に分類された人が3年間で糖尿病を発症すると予測された確率は1.1~9.5%(平均6.9%)、最高リスク群の人は27~99%(同45%)であった。すなわち、最高リスク群は最低リスク群の6.5倍リスクが高いことを意味するものであった。

 分析の結果、生活習慣改善介入による絶対リスク低下は、最高四分位群が最低四分位群より6倍大きかった。しかし、最低リスク群における絶対リスク低下もかなり大きく、それぞれ4.9% vs. 28.3%で、必要治療数(NNT)は20.4、3.5であった。

 一方、メトホルミン介入のベネフィットは、最高リスク群に集中していた(対プラセボのハザード比0.44)。最高リスク群の3年間の絶対リスク低下は21.4%(NTT 4.6)であった。一方、第3四分位リスク群(同0.82)、第2四分位リスク群(同0.79)では低下がみられたもののわずかで、最低リスク群では介入のベネフィットがみられなかった(同1.07)。

 著者は、「この知見を生かすことで、また、正確なリスク予測ツールに基づく意思決定により、過剰治療を減らすことができ、より効率的、効果的で患者中心の予防治療ができるだろう」とまとめている。

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コメンテーター : 住谷 哲( すみたに さとる ) 氏

社会福祉法人恩賜財団大阪府済生会泉尾病院 糖尿病・内分泌内科 主任部長

J-CLEAR評議員