未治療のC型肝炎に対するレディパスビル+ソホスブビル治療の有効性/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2014/04/28

 

 未治療のC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝型1型感染患者の治療として、レディパスビル+ソホスブビル治療はきわめて高い有効性を発揮することが、米国ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのNezam Afdhal氏らが実施したION-1試験で示された。インターフェロンが使用できない患者に対する治療選択肢の確立が求められているが、現時点で米国食品医薬品局(FDA)の承認を得ているインターフェロン・フリーのレジメンは1つしかない。一方、核酸型ポリメラーゼ阻害薬ソホスブビルとNS5A阻害薬レディパスビルの経口配合薬の第II相試験では、高い持続的ウイルス消失(sustained virological response:SVR)率が達成されている。NEJM誌オンライン版2014年4月12日号掲載の報告。

治療終了後12週時のSVR率を歴史的対照と比較
 ION-1試験は、未治療のHCV遺伝型1型感染患者に対するレディパスビル+ソホスブビル治療(LDV-SOF)の有用性を評価する非盲検無作為化第III相試験である。
 参加者は、LDV-SOF(LDV 90mg/SOF 400mg配合薬、1日1回1錠、12週)、LDV-SOF+リバビリン(RBV)(12週)、LDV-SOF(24週)、LDV-SOF+RBV(24週)の4つの治療群に無作為に割り付けられた。

 主要評価項目は治療終了後12週時のSVR率とし、歴史的対照の補正SVR率との比較を行った。SVRは、血清HCV RNA量<25IU/mLと定義した。

治療期間延長の付加的ベネフィットは不明
 本試験には、2012年10月17日~2013年5月17日までに米国および欧州の99施設から865例が登録された。LDV-SOF 12群に214例、LDV-SOF+RBV 12群に217例、LDV-SOF 24群に217例、LDV-SOF+RBV 24群にも217例が割り付けられた。

 各群の年齢中央値は52~53歳、男性が55~64%、白人が82~87%、平均BMIは26~27であった。全体の67%が1a型であり、肝硬変例が16%含まれた。

 12週時のSVR率は、LDV-SOF 12群が99%、LDV-SOF+RBV 12群は97%、LDV-SOF 24群は98%、LDV-SOF+RBV 24群は99%と高い値を示し、歴史的対照との間に有意な差が認められた(いずれもp<0.001)。

 ウイルス学的治療不成功と判定されたのは3例のみで、このうち治療期間中に再燃した患者が1例(LDV-SOF 24群)、治療終了後に再燃した患者は2例(LDV-SOF 12群の1例[4週以内の再燃]、LDV-SOF 24群の1例[4~12週の再燃])であった。

 各群の有害事象の発現頻度は79~92%で、そのうち重篤な有害事象はLDV-SOF 12群が1例(<1%)、LDV-SOF+RBV 12群は7例(3%)、LDV-SOF 24群は18例(8%)、LDV-SOF+RBV 24群は7例(3%)に認められた。

 治療関連の有害事象による治療中止は、LDV-SOF 24群で4例(2%)、LDV-SOF+RBV 24群で6例(3%)認められたが、12週治療群にはみられなかった。頻度の高い有害事象として、疲労感(21~38%)、頭痛(23~30%)、不眠(8~22%)、悪心(11~17%)が挙げられた。

 著者は、「リバビリンの併用や治療期間の24週への延長による付加的なベネフィットは明らかではなかった」としている。

(菅野守:医療ライター)