破裂性腹部大動脈瘤による死亡率の低い病院の共通因子/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2014/04/09

 

 英国・ロンドン大学のAlan Karthikesalingam氏らが、破裂性腹部大動脈瘤(rAAA)からのアウトカムについて米国と英国を比較した結果、米国よりも英国のほうが院内生存率、介入率、血管内修復術実施率が低いことが明らかになった。また、両国とも死亡率が最も低かったのは、病床規模が大きな教育病院で、血管内修復術の施行率が高い病院だった。著者は「これらの共通要因は、rAAAの患者アウトカムの改善戦略を示唆するものである」と述べている。Lancet誌2014年3月15日号掲載の報告より。

2005~2010年の両国アウトカムを比較
 本検討は、rAAAの患者アウトカムが地域によってばらつきがみられることから、診療の違いについて調べることで、治療の改善に結びつく道筋が得られることを見込んで実施された。

 2005~2010年にrAAAで入院した患者データを、英国は病院統計データベース(HES)から、米国は全米入院患者サンプル(NIS)データベースから収集して比較した。

 主要アウトカムは、院内死亡率、介入後死亡率、手術未施行の方針(開腹手術または血管内修復術をしなかった患者と定義)の割合であった。また、院内死亡率と手術未施行の割合は、年齢、性別、調査年、チャールソン併存疾患指数で補正後、医療システムごとに、バイナリロジスティック回帰法にて分析した。

院内死亡率、介入率に両国間で有意な差
 試験には、英国から1万1,799例、米国から2万3,838例のrAAA患者が包含された。

 結果、院内死亡率は、英国(65.90%)よりも米国(53.05%)が有意に低かった(p<0.0001)。

 介入(開腹手術または血管内修復術)が提供された割合は、英国(6,897例、58.45%)よりも米国(1万9,174例、80.43%)のほうが有意に多く(p<0.0001)、血管内修復術が行われた割合が、英国(589例、8.54%)よりも米国(4,003例、20.88%)が有意に多かった(p<0.0001)。

 介入後死亡率は、両国で同程度であった(英国41.77%、米国41.65%)。

 こうした状況は、年齢適合または性別適合による比較検討でも変わらなかった。また、両国ともに、「死亡率の低下」と「血管内修復術の実施増大」「rAAA取り扱い件数の増大」「病床規模が大きい」「教育病院」「平日に入院」との関連がみられた。

(武藤まき:医療ライター)