超早産児に対するCPAP対サーファクタント、長期アウトカムも有意差みられず/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2013/01/17

 

 米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のYvonne E. Vaucher氏らは、超早産児に対する早期の持続的気道陽圧法(CPAP)とサーファクタント投与の比較について、長期の死亡や神経発達障害のアウトカム改善に有意差がみられなかったことを報告した。また、酸素飽和度目標値の違いによるアウトカムについても、低目標値(85~89%)と高目標値(91~95%)間の有意差がみられないこと、および死亡率が低目標値群で増大傾向がみられたことを報告した。同研究グループは既存報告で、上記比較の短期アウトカム(死亡または気管支肺異形成症)について、CPAP対サーファクタントでは有意差がみられなかったことを、また目標値の違いでは低目標値群で網膜症発症と死亡率が増大することを報告していた。NEJM誌2012年12月27日号掲載より。

18~22ヵ月までの死亡または同時点での神経発達障害の発生率を比較

 研究グループは、在胎24週0日~27週6日で生まれた超早産児1,316例を対象とする無作為化試験を行った。一方の群には早期CPAPと限定的な換気療法による治療戦略を適用し、もう一方の群には早期サーファクタント投与を行った。さらに、各群を無作為に2群に分け、酸素飽和度目標値を85~89%(低酸素群)と、91~95%(高酸素群)にそれぞれ設定した。

 主要評価項目は、18~22ヵ月までの死亡または年齢補正後18~22ヵ月時点における神経発達障害の複合アウトカムとした。

アウトカムの有意差認められず

 被験者のうち1,234例(93.8%)について主要複合アウトカム評価を行い、18~22カ月時点で生存していた1,058例については、990例の評価が行われた。

 結果、死亡または神経発達障害の発生は、CPAP群621児のうち173児(27.9%)、サーファクタント群613児のうち183児(29.9%)と、両群で有意な差は認められなかった(相対リスク:0.93、95%信頼区間:0.78~1.10、p=0.38)。

 また、目標値を比較した検討においても、死亡または神経発達障害の発生は低酸素群612児のうち185児(30.2%)、高酸素群622児のうち171児(27.5%)と、両群間の有意差はみられなかった(相対リスク:1.12、95%信頼区間:0.94~1.32、p=0.21)。死亡率は、高酸素群で18.2%に対し、低酸素群では22.1%と増大傾向が認められた(相対リスク:1.25、同:1.00~1.55、p=0.046)。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)