プロゲスチン単独避妊薬は静脈血栓塞栓症リスクを増大させない

提供元:ケアネット

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公開日:2012/09/14

 

 プロゲスチンのみを含有する経口避妊薬は、女性の静脈血栓塞栓症のリスクを増大させないことが、米国・Lahey Clinic(マサチューセッツ州、バーリントン)のSimon Mantha氏らの検討で示された。ホルモン系避妊薬による静脈血栓塞栓イベントのリスクは、エストロゲンの量およびプロゲスチンの剤型の影響を受ける。静脈血栓塞栓症の発症リスクが高い女性(産後、遺伝性血栓性素因、静脈血栓塞栓症の既往など)は、プロゲスチン単独による避妊が好ましいとされるが、プロゲスチン単独避妊薬と血栓の関連を評価したデータはわずかだという。BMJ誌2012年9月1日号(オンライン版2012年8月7日号)掲載の報告。

薬剤送達法の違いによるリスクの差をメタ解析で評価
研究グループは、プロゲスチン単独避妊薬と静脈血栓塞栓症リスクの関連を評価し、薬剤の送達法[経口薬、子宮内器具(IUD)、注射薬]によるリスクの差について検討するために系統的なレビューを行い、メタ解析を実施した。

データベース(Pubmed、Embase、Cochrane Library)や関連レビューの文献リストを検索し、プロゲスチン単独避妊薬を使用する女性の静脈血栓塞栓症のアウトカムをホルモン系避妊薬非使用女性と比較した無作為化対照比較試験および観察研究(症例対照研究、コホート研究、断面研究)を選出した。データの抽出は、2名の研究者が別個に行ったうえで、さらに2名の研究者を加えた合議によって決定した。

注射薬ではリスクが2倍以上に増大
8つの観察研究に登録された493人が解析の対象となった。プロゲスチン単独避妊薬を使用中に合計147人の女性が静脈血栓塞栓症と診断された。

ランダム効果モデルによる解析では、プロゲスチン単独避妊薬使用女性の、非使用女性に対する静脈血栓塞栓症の調整済み相対リスクは1.03[95%信頼区間(CI):0.76~1.39]であり、有意な差は認めなかった。

サブグループ解析では、プロゲスチンの経口薬(相対リスク:0.90、95%CI:0.57~1.45)とIUD(同:0.61、0.24~1.53)は静脈血栓塞栓症と関連しなかった。注射薬使用者の非使用者に対する相対リスクは2.67(95%CI:1.29~5.53)と有意差がみられた。

著者は、「プロゲスチン単独避妊薬は、ホルモン系避妊薬を使用しない場合に比べ静脈血栓塞栓症リスクを増大させることはないと考えられる」と結論し、「プロゲスチン注射薬の血栓症リスクについては、さらなる検討を行う必要がある」と指摘する。

(菅野守:医学ライター)