乳房温存術を受けた女性の5人に1人が再手術

提供元:ケアネット

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公開日:2012/08/24

 

 英国では乳房温存術(BCS)を施行された女性の5人に1人が再手術を受けており、非浸潤性乳がんの再手術率は浸潤性病変の約2倍に達することが、英国王立外科医師会のR Jeevan氏らの調査で示された。英国では毎年約4万5,000人の女性が乳がんと診断され、その半数以上がBCSを施行されるという。とくに非浸潤性乳がんは術前に病変を局在化するのが困難なため、BCSでは腫瘍を完全に切除できない可能性があり、その場合は再度BCSを行うか、乳房切除術が施行される。BCS施行後の再手術に関する研究は少なく、施行率は17~68%とされ大きなばらつきがみられる。BMJ誌2012年8月11日号(オンライン版2012年7月12日号)掲載の報告。

BCS施行後の再手術率を後ろ向きコホート試験で検討
研究グループは、BCS施行後の再手術と背景因子の関連を評価し、英国の国民保健サービス(NHS)トラストにおける再手術率をレトロスペクティブに検討するコホート試験を実施した。

2005年4月1日~2008年3月31日までに、浸潤性または非浸潤性乳がんと診断され、一側の乳房に対しBCSを施行された16歳以上の女性が対象となった。

初回BCS施行後3ヵ月以内の再手術率を調査した。ロジスティック回帰分析を用いて、腫瘍のタイプ、年齢、併存疾患、社会経済的貧困で調整した。初回手術時に非浸潤性病変の有無でグループ分けを行った。

再手術率:全体20.0%、浸潤性乳がん18.0%、非浸潤性乳がん29.5%
3年間に、NHSトラストの156施設で5万5,297例(浸潤性乳がん:4万5,793例[82.8%]、非浸潤性乳がん:9,504例[17.2%])の女性に初回BCSが施行されていた。
 そのうち、1万1,032例(20.0%)が1回以上の再手術を受けていた。再手術が1回のみであったのは1万212例(18.5%)で、そのうち5,943例(10.7%)がBCSを、4,269例(7.7%)は乳房切除術を施行されていた。

浸潤性乳がんの4万5,793例中8,229例(18.0%)が1回以上の再手術を受けていたのに対し、非浸潤性乳がんの9,504例中、1回以上の再手術が行われたのは2,803例(29.5%)だった(調整オッズ比:1.9)。調整再手術率には実質的な施設間差が認められた。

著者は、「英国ではBCSを施行された女性の5人に1人が再手術を受けていた。非浸潤性病変の再手術率は浸潤性病変の約2倍であった」とまとめ、「手術法を決める際は、患者に再手術のリスクに関する情報を伝えるべきである」と指摘している。

(菅野守:医学ライター)