妊婦の年齢、拡張期血圧、喫煙などが、妊娠第一期の胎児の発育遅延に関連

妊婦の年齢や拡張期血圧、喫煙などが、妊娠第一期の胎児の発育遅延に関連していることが明らかにされた。同時期の胎児の発育遅延は、早産や低出生体重、2歳までの発育促進の遅滞などとも関連していたという。オランダ・エラスムス医療センターのDennis O. Mook-Kanamori氏らの研究グループ「Generation R Study Group」が、1,600人超の母親とその子供について調べたもので、JAMA誌2010年2月10日号で発表した。
喫煙者・葉酸非摂取の妊婦と、非喫煙者・葉酸摂取では胎児頭臀長の差は3.84mm
研究グループは、オランダ・ロッテルダムを起点に被験者を登録した前向きコホート試験を行った。試験には、2001~2005年にかけて、妊娠期間が明確な1,631人の妊婦が登録され、妊娠10週0日目と13週6日目に、それぞれ超音波検査で胎児頭臀長の測定が行われた。
その結果、妊婦の年齢が高い方が、妊娠第一期の胎児頭臀長が長く、1歳上がる毎に0.79mm増加した。
また、拡張期血圧やヘマトクリット値が高いほど、胎児頭臀長は短かった(拡張期血圧は1標準偏差値増す毎に、-0.40mm、ヘマトクリット値は同-0.52mm)。
妊婦が喫煙者で葉酸を摂取していない場合には、喫煙をせず適切な葉酸摂取をしていた妊婦と比べ、同期の胎児頭臀長は3.84mm短かった。
妊娠第一期に発育遅延があると、早産リスクは2.1倍、低出生時体重リスクは2.4倍に
妊娠第一期に胎児の発育が正常だった群と発育遅延がみられた群では、妊娠期間37週未満での早産の発生率はそれぞれ4.0%と7.2%(補正後オッズ比:2.12、95%信頼区間:1.24~3.61)、出生時体重が2,500g未満だった割合は3.5%と7.5%(同:2.42、1.41~4.16)、妊娠期間に比べ小さく生まれた割合は4.0%と10.6%(同:2.64、1.64~4.25)と、いずれも有意差があった。
また、妊娠第一期の胎児頭臀長が短いほど、生後2年までの発育促進がみられた(標準偏差スコア2歳につき0.139増大)。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)
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