SU薬か、GLP-1受容体作動薬か?-メトホルミン難治性2型糖尿病-(Lancet 6月16日発表)

提供元:ケアネット

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公開日:2012/06/20

 

ドイツ エバーハルト・カール大学のBaptist Gallwitz氏は、16日、メトホルミン単剤投与で血糖コントロールが不良の2型糖尿病患者において、SU薬グリメピリドに比べ、GLP-1受容体作動薬エキセナチドの追加投与の有効性が高いことをLancet誌に発表した。これは2006年9月から2011年3月に欧州14ヵ国、128施設が参加して実施されたEUREXA(European Exenatide trial)試験の結果。研究費提供元はイーライリリー。[国内での主たる販売名]
 メトホルミン・・・メトグルコ
 グリメピリド・・・アマリール
 エキセナチド・・・バイエッタ

メトホルミン単剤を最大用量投与してもHbA1cが6.5〜9.0未満の肥満2型糖尿病患者1,029例(18〜85歳、BMI 25〜40未満)が対象となった。対象患者はメトホルミン+エキセナチド併用群515例、メトホルミン+グリメピリド併用群514例のいずれかに無作為に割り付けられた。

主要評価項目は、一定の治療期間に対する血糖コントロール不十分で他の治療が必要となる割合とされた。具体的には3ヵ月後のHbA1c>9%、または6ヵ月後以降3ヵ月の間隔で2回連続してHbA1c>7%。

主な結果は、下記のとおり。
1. 期間内に目標血糖値に到達しなかった症例数は、エキセナチド群で409例中203例(41%)、グリメピリド群で487例中262例(54%)。
  治療不成功率はエキセナチド群のほうが有意に少なかった。
  リスク差=12.4%(95%信頼区間:6.2-18.6)、
ハザード比=0.748(95%信頼区間:0.623-0.899、P=0.002)。
2. HbA1c<7%達成例(44% vs 31%,P<0.0001)、≦6.5%達成例(29% vs 18%,P=0.0001)は
  エキセナチドのほうが多かった。
3. 体重の変化はエキセナチド群で3.32kg減少、グリメピリド群で1.15kg増加(P<0.0001)。
4. 低血糖発生率はエキセナチド群が低率(20% vs 47%;P<0.0001)
5. エキセナチド 群174例、グリメピリド群128例が試験治療を中止。
  エキセナチド群で有意に高率。エキセナチド群における主な理由は、消化管症状。

(ケアネット 藤原健次)