群発頭痛は男性よりも女性で症状が重い可能性

提供元:HealthDay News

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公開日:2023/01/26

 

 群発頭痛は女性よりも男性によく生じると考えられているが、症状が重くなりやすいのは女性である可能性が、新たな研究で報告された。カロリンスカ研究所(スウェーデン)神経科学分野のAndrea Belin氏らによるこの研究結果は、「Neurology」に12月21日掲載された。

 Belin氏は、「女性の群発頭痛はいまだに誤診されることが多い。その理由はおそらく、群発頭痛に、片頭痛に似たところがあるからだと思われる」と指摘。「医師は、群発頭痛の現れ方が男女で異なることを認識し、できるだけ早く有効な治療を開始することが重要だ」と強調している。

 群発頭痛は極めて痛みの強い頭痛で、1回の頭痛発作の持続時間は15分から3時間と短いが、何日も、あるいは何週間にもわたって続くことがある。群発頭痛の中でも重症なタイプである慢性群発頭痛の患者は、1年以上も絶え間なく繰り返す群発頭痛発作に見舞われ、症状のない期間はあっても3カ月未満と短い。

 研究グループは、2014年から2020年の間に群発頭痛と診断された874人の患者を対象に調査を実施し、症状、薬、頭痛の誘因および生活習慣について尋ねた。対象者の65.8%(575人)が男性、34.2%(299人)が女性であった。

 その結果、慢性群発頭痛と診断されていたのは、男性で9.4%、女性で18.4%であり、女性患者は男性患者のほぼ2倍であることが明らかになった。また、頭痛発作が平均4~7カ月間続くと回答したのは、女性で8.0%、男性では5.2%であり、女性の方が発作の持続期間が長いことも分かった。持続期間が1カ月未満と回答したのは女性では約26.0%、男性では29.8%であった。予防薬を使用していると回答した比率も女性の方が多く、女性で60.2%、男性で47.7%であり、群発頭痛に関連して生じる症状の頻度も女性の方が高かった(眼瞼下垂:60.5%対47.0%、不穏:53.8%対45.6%)。さらに、女性は男性に比べ、頭痛発作に日内変動があると回答した比率が高く(73.6%対63.3%)、群発頭痛の既往のある家族がいると回答した比率は男性の約2倍であった(15.4%対7.1%)。

 Belin氏は、「群発頭痛の患者の男女比は年々変化しているものの、依然として男性に生じる疾患だと思われている。そのため、比較的症状の軽い場合には、女性では正しく診断されにくくなっている。このことが原因で、女性の慢性群発頭痛の有病率が男性よりも高くなっている可能性もある」と述べている。ただし研究グループは、今回の調査では、回答者が自身の経験について自己申告しており、記憶が必ずしも正確であるとは限らない点を本研究の限界点として挙げている。

[2022年12月22日/HealthDayNews]Copyright (c) 2022 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら