COPD患者の生の声

提供元:ケアネット

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公開日:2007/10/31

 



COPD(慢性閉塞性肺疾患)治療薬スピリーバ(販売:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社/ファイザー株式会社)承認取得3周年記念記者会見(2007年10月23日)で、COPD患者の尾崎さんご夫妻(北海道日高郡在住)が患者の立場で、COPDが生活に与える影響、およびCOPD診療のあり方に対する感想を話した。

尾崎さんは、20歳ごろから47年間喫煙し、多い時には、煙草を一日60本程度吸っていた。6年前に、COPDと診断されたことをきっかけに、禁煙した。

尾崎さんは建設会社を経営するため、60歳になってからも現役で仕事をされた。しかし、ある時期から、約1年間かけて体重が55kgから47kgまでと急激に低下した。朝起きる時、「ドキドキ」、「ハーハー」のような動悸症状が見られた。体が疲れやすく、やる気もなくなり、一日中家でテレビを見ている日が多くなった。万歩計で計ると、1日250歩ぐらいしか歩かなかった日もあった。

ある日、息子の嫁が偶然に週刊誌で木田厚瑞氏(日本医科大学呼吸器内科教授、同大学呼吸ケアクリニック所長)のCOPDに関する記事を目にし、尾崎さんの症状とほぼ同じことに気づいた。尾崎さんはすぐに木田氏の施設を受診し、COPDと診断され、治療を開始した。その後、地元の病院に通いながら、年2回木田氏の施設に診察を受けている。

現在、スピリーバ(チオトロピウム;長期間作用型抗コリン薬)などの吸入薬を毎日服用している。今では食事がおいしく感じ、体重は以前とほぼ同じ54.5kgにまで戻った。また、散歩、園芸作業のほか、フルコースのパークゴルフまでできるようになった。

尾崎さんによると、周りの多くの友人は自分と同じ病気を侵しているにもかかわらず、病院に行っても、COPDと診断されず、COPDの治療薬をもらえなかった。自分は運がよく、たまたまCOPDのことを知り、治療によって元気になった。

会見で木田氏は、COPDは、まだあまり知られていないため、多くの患者はいまだに治療受けていないか、違う疾患と診断され、苦しんでいることを指摘、早急にCOPDの概念を普及する必要性を訴えた。

(ケアネット:呉 晨)