T-DXd関連ILD、日本人の胃がん・乳がん患者で死亡例に多い所見は?

提供元:ケアネット

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公開日:2026/09/16

 

トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)に関連する間質性肺疾患(ILD)/肺臓炎は、治療継続や生命予後に関わる重要な有害事象である。そこで、愛知県がんセンター呼吸器内科の藤原 豊氏らは、日本人の乳がんおよび胃がん患者を対象とした市販後全例調査のデータを用いて、独立したILD判定委員会により判定されたT-DXd関連ILDの臨床的・画像的特徴を検討した。その結果、多くは軽度~中等度で副腎皮質ステロイドに反応した一方、びまん性肺胞傷害(DAD)パターンは死亡例に多くみられた。本研究結果は、The Oncologist誌オンライン版2026年9月7日号に掲載された。


本研究は、T-DXd投与を受けた日本人の乳がんおよび胃がん患者を対象とした市販後全例調査の事後解析である。T-DXd関連ILDが疑われた症例を、独立した判定委員会が評価、解析した。評価項目は、患者背景、臨床的特徴、画像所見、発症時期、治療介入、発症から最長12ヵ月まで追跡した転帰などであった。


主な結果は以下のとおり。


・T-DXdが投与された患者は2,801例で、内訳は乳がん1,731例、胃がん1,070例であった。このうち、T-DXd関連ILD疑いの421例が判定委員会で評価され、381例がT-DXd関連ILDと判定された(乳がん278例、胃がん103例)。
・T-DXd関連ILDと判定された381例の年齢中央値は65.0歳、女性が75.1%、喫煙歴を有する患者は28.3%であった。
・ILDは観察期間を通じて発症しており、T-DXd開始後12ヵ月以降の死亡例も含まれていた。明確な発症時期の集中はみられず、発症までの期間はCTCAE Grade間で差を認めなかった。
・画像パターンは、器質化肺炎が67.7%と最も多く、次いで過敏性肺炎14.2%、DAD 12.6%であった。
・最悪時のCTCAE GradeはGrade1/2が78.2%を占め、多くは軽度~中等度であった。
・Grade5のILDは30例(7.9%)に発生した。Grade5症例で最も多い画像パターンはDADで、30例中26例に認められた。
・全体の回復割合は83.5%であった。副腎皮質ステロイドは54.6%に使用され、そのうち79.3%で効果が認められた。
・DADパターンの7例では、高用量副腎皮質ステロイドおよび追加免疫抑制薬による治療が有効ではなかった。

本研究結果について著者らは、日本人の乳がんおよび胃がん患者におけるT-DXd関連ILDの多くは軽度~中等度で副腎皮質ステロイドに反応したが、DADパターンは死亡率の高さと関連していた、とまとめた。また、致死的なT-DXd関連ILDを抑制するためには、慎重なモニタリング、早期認識、速やかな副腎皮質ステロイド治療が重要であると述べている。

(ケアネット 杉崎 真名)

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