ピロリ菌感染、胆道がんや膵がんリスクとの関連は/愛知県がんセンターほか

提供元:ケアネット

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公開日:2026/09/14

 

胃がんの確立したリスク因子であるHelicobacter pylori(H. pylori)感染は、胆道がん(BTC)や膵がん(PC)にも関与する可能性が指摘されているが、これまでのエビデンスは一貫していない。また、生殖細胞系列病的バリアントがH. pylori感染と胃がんリスクとの関連を修飾する可能性がある一方、BTCやPCでの役割は明らかではない。そこで、愛知県がんセンター研究所の山本 清花氏らは、日本人集団を対象に、遺伝的感受性や生活習慣因子を考慮してH. pylori感染とBTCおよびPCリスクとの関連を検討した。その結果、BTCリスクとの有意な関連は認められなかったが、PCではH. pylori感染指標とリスクの関連が、発生部位によって異なる可能性が示された。本研究結果は、International Journal of Cancer誌オンライン版2026年7月14日号に掲載された。


本研究は、2件の症例対照研究として実施された。対象は、BTC患者116例、PC患者417例、対照3,086例であった。H. pylori感染は、H. pylori抗体陽性、ペプシノゲン法に基づく萎縮性胃炎、これらの組み合わせにより定義した。年齢、性別、研究バージョン、生殖細胞系列病的バリアント保有状態、喫煙、飲酒で調整したロジスティック回帰モデルを用いて、オッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を推定した。解析では、BTCおよびPC全体のリスクに加え、解剖学的部位別の関連、ならびに病的バリアント、喫煙、飲酒との交互作用も評価した。


主な結果は以下のとおり。


・解析対象は、BTC患者116例、PC患者417例、対照3,086例であった。
・H. pylori感染指標とBTCリスクとの間に、有意な関連は認められなかった。
・H. pylori抗体価が高いほど、PC全体のリスクは上昇した。抗体価10U/mL上昇当たりのORは1.04(95%CI:1.01~1.07)であった。
・部位別解析では、H. pylori抗体が検出されない萎縮性胃炎が、膵頭部がんのリスク上昇と関連していた(OR:3.04、95%CI:1.23~7.54)。
・H. pylori抗体陽性は、膵体部がんのリスク上昇と関連していた(OR:1.75、95%CI:1.10~2.77)。
・BTCについて、H. pylori感染と生殖細胞系列病的バリアント保有状態、喫煙、飲酒との交互作用は観察されなかった。
・PCについても、H. pylori感染と生殖細胞系列病的バリアント保有状態、喫煙、飲酒との交互作用は観察されなかった。

本研究結果について著者らは、H. pylori感染とBTCリスクとの関連は明確ではなかった一方、PCでは解剖学的部位によりリスクと関連する可能性が示された、とまとめている。また、遺伝的要因や喫煙・飲酒による関連の修飾を示すエビデンスは限定的であった、としている。

(ケアネット 杉崎 真名)

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