日本における初発統合失調症患者に対するLAI抗精神病薬の投与パターンが判明

提供元:ケアネット

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公開日:2026/08/13

 

 長時間作用型注射(LAI)抗精神病薬は、統合失調症治療の継続性を支える可能性がある。しかし、日本における初発統合失調症におけるリアルワールドでのLAI抗精神病薬の開始パターンについては、十分に明らかにされていない。京都大学の宮川 亮祐氏らは、JMDCレセプトデータベースを用いて、日本における初発統合失調症患者に対するLAI抗精神病薬の投与パターンを明らかにするため、本研究を実施した。Schizophrenia Research誌オンライン版2026年7月7日号の報告。

 2005年1月~2024年3月のJMDCレセプトデータベースを用い、初発統合失調症に近似するレセプトベースの代理コホートを対象に、縦断的記述疫学研究を実施した。本コホートは、操作的診断アルゴリズム、診断と抗精神病薬治療開始の時間的近接性、インデックス日前の遡及期間を含む継続的な加入期間に基づき定義された。統合失調症の疑いと診断された症例は除外した。主な記述的指標は、フォローアップ期間中のLAI抗精神病薬の開始(LAI抗精神病薬の調剤が1回以上)、統合失調症診断から初回LAI抗精神病薬調剤までの期間、抗精神病薬調剤の年次推移とした。経口抗精神病薬からLAI抗精神病薬への切り替え、かつLAI抗精神病薬開始の前後1年間にわたりデータがフォローアップ可能な患者に限定した探索的記述解析では、治療継続性(週ごとの服薬期間割合[PDC])および精神科入院について記述した。

 主な内容は以下のとおり。

・対象となった2万4,226例の初発統合失調症患者において、フォローアップ期間の中央値は30ヵ月(四分位範囲[IQR]:13~58)であり、1回以上のLAI抗精神病薬の調剤が行われた患者は437例(1.8%)であった。
・診断から初回LAI抗精神病薬調剤までの期間の中央値は12ヵ月(IQR:2~31)であり、LAI抗精神病薬の調剤を受けた患者の割合は、研究期間を通じて一貫して2%未満であった。
・経口抗精神病薬からLAI抗精神病薬へ切り替えた患者において、LAI抗精神病薬開始前の1年間におけるPDCの中央値は0.82(IQR:0.50~0.96)であり、同期間中に26.9%が医療保護入院を経験していた。

 著者らは「日本の医療保険加入者のレセプト集団において、LAI抗精神病薬の開始はまれであり、多くは経口抗精神病薬の開始後に行われていた。これらの知見は、医療保険加入者集団における、新たに確認・治療された統合失調症患者のLAI抗精神病薬の開始パターンを明らかにするものである」としている。

(鷹野 敦夫)