高血圧の日本人、大腸がん発症率が高い

提供元:ケアネット

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公開日:2026/08/07

 

 高血圧と大腸がん発症率の関連については依然として議論されている。今回、静岡社会健康医学大学院大学の水野 仁美氏らが、日本の大規模コホートデータを用いて、高血圧と大腸がん発症率の関連を検討したところ、降圧薬非服用者では男性において高血圧と大腸がん発症率が関連し、降圧薬服用者では女性において高血圧と大腸がん発症率が関連していた。一方、血圧に関する多遺伝子リスクスコアと大腸がん発症率には関連はみられなかった。Hypertension Research誌オンライン版2026年7月28日号に掲載。

 本研究は、2012~22年に収集された静岡地域の保険請求データと健康診断データを含む静岡県国保データベースを用いた集団ベースの後ろ向きコホート研究である。プロペンシティスコアマッチングを用いて、正常血圧群と高血圧群の大腸がん発症率を比較し、死亡を競合リスクとしてGray検定を行い累積発症率を分析した。また、日本多施設共同コホート研究(J-MICC STUDY)のデータを用いて、血圧に関する多遺伝子リスクスコアを解析し、遺伝学的に決定された高血圧感受性が大腸がん発症率に影響するかどうかを評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・降圧薬非服用者において、正常血圧群が11万3,724人、高血圧群が8万5,399人であった。追跡期間(中央値:4.38年)中に、正常血圧群では1,130人、高血圧群では850人に大腸がんが発症した。プロペンシティスコアマッチングを行った結果、高血圧群における大腸がん発症率が有意に高く、ハザード比は1.15(95%信頼区間:1.02~1.30)であった。男女別に解析すると男性のみでこの関連が認められた。
・降圧薬服用者では、女性において大腸がんリスクが高かった。
・血圧に関する多遺伝子リスクスコアと大腸がん発症率との間に関連は認められなかった。

 著者らは、「疫学的結果と遺伝学的解析との不一致に関して、これまで認識されていなかった大腸がんと高血圧の共通環境要因の可能性を含め、慎重な解釈が必要」としている。

(ケアネット 金沢 浩子)