日本の乳がんサバイバーにおける子宮体がんリスク

提供元:ケアネット

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公開日:2025/09/03

 

 日本の乳がんサバイバーの子宮体がんリスクは、乳がんではない女性と比べて7.71倍高いことが、筑波大学の河村 千登星氏らによるマッチドコホート研究で示された。また内分泌療法別にみると、タモキシフェン投与患者では5.67倍、内分泌療法なしの患者で3.56倍リスクが高かった。Breast Cancer誌オンライン版2025年8月27日号に掲載。

 本研究は、複数の健康保険組合のレセプトおよび健診データによるJMDC Claims Databaseを用いたマッチドコホート研究である。2005年1月~2019年12月に登録された乳がんサバイバー2万3,729人と、年齢とデータベース登録時期で1:4でマッチさせた乳がんではない女性9万5,659人における子宮体がんリスクを、層別化Cox回帰分析を用いて比較した。さらに、マッチングから1年後に追跡を開始し、非層別化Cox回帰分析を用いて内分泌療法(タモキシフェン、アロマターゼ阻害薬、内分泌療法なし)別のリスクを評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・乳がんサバイバー2万3,729人とマッチさせた乳がんではない女性9万5,659人(年齢中央値:49.5歳)における子宮体がん発生例数は、それぞれ56例、40例(1,000人年当たり0.73例、0.13例)であり、調整ハザード比(HR)は7.71(95%信頼区間[CI]:4.56~13.0)であった。
・内分泌療法別の子宮体がんの発生例数(1,000人年当たり例数)および乳がんではない女性に対する調整HR(95%CI)は以下のとおり。
 - タモキシフェン群(9,183例):26例(0.92例)、5.67(3.20~10.0)
 - アロマターゼ阻害薬群(4,582例):5例(0.43例)、2.17(0.79~5.95)
 - 内分泌療法なし群(5,763例):10例(0.61例)、3.56(1.66~7.65)

(ケアネット 金沢 浩子)