米国・Evolution Research GroupのSarah D. Atkinson氏らは、青年期統合失調症の維持療法として非定型抗精神病薬ブレクスピプラゾールを使用した際の長期的な安全性および忍容性を評価するため、24ヵ月多施設共同単群オープンラベル試験を実施し、その中間解析結果を報告した。JAACAP Open誌2024年5月27日号の報告。
対象は、13〜17歳の統合失調症患者。経口ブレクスピプラゾール1〜4mg/日(可変用量)を投与した。主要エンドポイントは、治療関連有害事象(TEAE)、重症度別TEAE、重篤なTEAE、治療中止に至った有害事象の発現率とした。
主な結果は以下のとおり。
・中間解析時点での症例数は169例。そのうち114例(67.5%)が治療継続中、24ヵ月の試験完了が23例(13.6%)、試験中止は32例(18.9%)であった。
・試験中止の主な理由は、患者自身による離脱。
・試験参加者の平均年齢は15.6歳、女性の割合は52.7%、白人の割合は79.9%。
・全体として、治療を受けた167例中95例(56.9%)において、1つ以上のTEAEが報告された。最も報告が多かったTEAEは、傾眠(10.2%)、頭痛(9.0%)、体重増加(9.0%)、鼻咽頭炎(6.6%)であった。
・ほとんどのTEAEの重症度は、軽度〜中等度であった。
・自然成長を考慮したうえで、臨床的に意味のある体重増加は33例(19.8%)でみられた。
・重篤なTEAEは5例(精神病性障害:2例、非致死的自殺企図:1例、毛巣洞:1例、精神運動性多動:1例)で報告されたが、いずれも試験期間中に回復した。
・有害事象のため治療を中止した患者は2例であり、1例は重篤な非致死的自殺企図によるものであり、もう1例は下垂体機能亢進症および体重増加によるものであったが、いずれも退院時には安定していると判断された。
著者らは「青年期統合失調症に対するブレクスピプラゾール維持療法の安全性プロファイルは、成人患者の場合とおおむね同様であった。青年期患者では、体重増加を注意深くモニタリングし、正常な成長に伴う体重増加と比較する必要がある」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)