高齢の進行古典的ホジキンリンパ腫、ニボルマブ+AVDがBV+AVDより有用(S1826サブ解析)/JCO

提供元:ケアネット

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公開日:2025/06/30

 

 進行古典的ホジキンリンパ腫に対する1次治療としてニボルマブ(N)+AVD(ドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン)とブレンツキシマブ ベドチン(BV)+AVDを比較した第III相S1826試験における高齢者(60歳以上)のサブセット解析で、N+AVDはBV+AVDより忍容性および有効性が高いことが示された。米国・Weill Cornell MedicineのSarah C. Rutherford氏らがJournal of Clinical Oncology誌オンライン版2025年6月16日号で報告した。

 第III相S1826試験は、StageIII~IVの古典的ホジキンリンパ腫と新たに診断された患者を対象に、N+AVD 6サイクルもしくはBV+AVD 6サイクルに無作為に割り付け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、無イベント生存期間(EFS)、安全性を比較した試験である。

 今回のサブセット解析の結果は以下のとおり。

・60歳以上の登録患者103例のうち、99例が適格だった。
・追跡期間中央値2.1年で、N+AVD群(50例)の2年PFS率は89%、BV+AVD群(49例)の2年PFS率は64%であった(ハザード比[HR]:0.24、95%信頼区間[CI]:0.09~0.63、層別片側log-rank検定p=0.001)。
・2年OS率はN+AVD群で96%、BV+AVD群で85%であった(HR:0.16、95%CI:0.03~0.75、層別化片側log-rank検定p=0.005)。
・N+AVD群は69%、BV+AVD群は26%が減量することなく6サイクル投与され、14%がニボルマブを中止し、55%がBVを中止した。
・非再発死亡率はBV+AVD群で16%、N+AVD群で6%であった。
・好中球減少はN+AVD群で多かったが、発熱性好中球減少症、敗血症、感染症はBV+AVD群で多く、末梢神経障害もBV+AVD群で多かった。
・主要有害事象の患者報告アウトカムでは、N+AVDがBV-AVDより毒性プロファイルが改善されていることが確認された。

 著者らは、「N+AVDはBV+AVDよりも忍容性が高く効果的であったことから、アントラサイクリン系薬剤の併用療法が適応となる高齢の進行古典的ホジキンリンパ腫患者に対する新たな標準治療となる」としている。

(ケアネット 金沢 浩子)