EGFR陽性NSCLC、EGFR-TKI後のアミバンタマブ+化学療法が承認/J&J

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2025/05/21

 

 Johnson & Johnson(法人名:ヤンセンファーマ)は2025年5月19日、アミバンタマブ(商品名:ライブリバント)と化学療法の併用療法について「EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対する用法及び用量の一部変更の承認を取得したことを発表した。本承認により、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)による治療後に病勢進行が認められた非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対し、カルボプラチンおよびペメトレキセドとの併用においてアミバンタマブが使用可能となる。

 本承認は、オシメルチニブ単剤療法で病勢進行が認められたEGFR遺伝子変異(exon19delまたはL858R)陽性NSCLC患者を対象とした国際共同第III相無作為化比較試験「MARIPOSA-2試験」の結果1)に基づくものである。本試験において、アミバンタマブ+化学療法群は化学療法群と比較して、主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)が有意に延長し(ハザード比:0.48、95%信頼区間:0.36~0.64、p<0.001)、PFS中央値はアミバンタマブ+化学療法群6.3ヵ月、化学療法群4.2ヵ月であった。また、確定奏効率はアミバンタマブ+化学療法群53%、化学療法群29%であった。

<今回追加された「効能又は効果に関連する注意」「用法及び用量」「用法及び用量に関連する注意」の主な記載>2)

・効能又は効果に関連する注意
 EGFRチロシンキナーゼ阻害剤による治療後に増悪した患者に対してカルボプラチン及びペメトレキセドナトリウムと併用する場合は、臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.3参照]

・用法及び用量
EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌にはA法、EGFR遺伝子変異(エクソン20挿入変異を除く)陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌にはA法又はB法を使用する。
A法:カルボプラチン及びペメトレキセドナトリウムとの併用において、3週間を1サイクルとし、通常、成人にはアミバンタマブ(遺伝子組換え)として以下の用法及び用量で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
<略>
B法:ラゼルチニブメシル酸塩との併用において、4週間を1サイクルとし、通常、成人にはアミバンタマブ(遺伝子組換え)として以下の用法及び用量で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
<略>

・用法及び用量に関連する注意
EGFRチロシンキナーゼ阻害剤による治療歴のないEGFR遺伝子変異(エクソン20挿入変異を除く)陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対するA法の有効性及び安全性は確立していない。
本剤、ラゼルチニブ、カルボプラチン及びペメトレキセドナトリウムの併用投与は行わないこと。

(ケアネット 佐藤 亮)