イプタコパンがC3腎症の適応を追加/ノバルティス

提供元:ケアネット

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公開日:2025/05/22

 

 ノバルティス ファーマは2025年5月19日、補体B因子阻害薬イプタコパン塩酸塩水和物(商品名:ファビハルタ)について、C3腎症に対する適応を取得したことを発表した。

 今回の承認は、腎移植を受けたことのないC3腎症患者74例(日本人4例を含む)を対象に、本剤200mg 1日2回経口投与の有効性および安全性を評価した国際共同第III相APPEAR-C3G試験の結果に基づいている。二重盲検投与期の主要評価項目である投与6ヵ月時の24時間蓄尿による尿蛋白/クレアチニン比のベースラインに対する比(幾何平均値)において、イプタコパンはプラセボと比べて35.1%の減少を示し、プラセボに対する優越性が検証された。また、イプタコパンは、投与14日時点の早期から尿蛋白の減少が認められ、12ヵ月時点でも持続していた。非盲検投与期間にプラセボからイプタコパンに切り換えた患者でも尿蛋白の減少がみられた。

 C3腎症では、免疫系の一部である補体第二経路が過剰に活性化することにより、腎糸球体にC3が沈着する。そして炎症および糸球体損傷が誘発され、蛋白尿、血尿および腎機能低下が引き起こされる。非常にまれな腎疾患であり、主に若年成人で診断され、約半数は10年以内に腎不全に進行する。イプタコパンは、C3腎症に対して初めて承認された治療薬であり、C3腎症の根本原因とされる補体第二経路の過剰活性化を阻害することで、C3腎症に対する治療効果を発揮すると考えられている。

電子添付文書情報 ※下線部が今回の変更
一般名:イプタコパン塩酸塩水和物
商品名:ファビハルタカプセル200mg
効能又は効果:発作性夜間ヘモグロビン尿症、C3腎症
用法及び用量:通常、成人にはイプタコパンとして1回200mgを1日2回経口投与する

(ケアネット 森)