女性のオーガズム持続性とADHD症状との関係

提供元:ケアネット

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公開日:2025/05/22

 

 注意欠如多動症(ADHD)症状の有無による女性のオーガズムの持続性の違いを評価するため、カナダ・Kwantlen Polytechnic UniversityのTina Jensen-Fogt氏らは、十分な検出力を有する事前登録制オンライン調査より、性的自己主張および性的態度といったこれまで検討されていない構成要素を対照に調査を行った。Journal of Sex Research誌オンライン版2025年4月21日号の報告。

 対象は、Qualtricsという調査プラットフォームを通じてオンライン調査に回答した18歳以上、過去6ヵ月間で1人以上のパートナーと性交を有する女性(シスジェンダー)815人(平均年齢:28.93±9.23歳)。既存のADHD診断は不要とした。

 主な内容は以下のとおり。

・研究仮説を検証したところ、ADHD症状はオーガズムの持続性を予測し、とくに不注意症状が強いほど、オーガズムの持続性が低いことが明らかとなった。
・ADHD症状マネジメントのための薬物療法に関する調査では、現在ADHD症状の基準を満たしていない女性においてのみ、薬物療法がオーガズムの安定性に有意な影響を及ぼすことが示唆された。
・性的マイノリティ女性と性的マジョリティ女性を比較したところ、ADHD症状の基準を満たしていない女性においてのみ、オーガズムの安定性に有意な差が認められた。

 著者らは「オーガズムを安定して得ることが難しい女性は、人間関係の満足度、自尊心、性的満足度の低下、精神的苦痛の増加を経験する可能性が高いと考えると、本研究結果は、ADHD症状を有する女性の性的健康や幸福において重要な意味を持つと考えられる。これらの結果は、とくに不注意型のADHD症状を有する女性に当てはまるであろう」としている。

(鷹野 敦夫)