キウイフルーツは身近なフルーツとして日常で食す機会も多い。では、このキウイフルーツの摂取は、われわれの健康にどのような影響を与えるのであろうか。オーストラリア・アデレード大学の心理学研究科のMichael Billows氏らの研究グループは、ビタミンCが豊富なキウイフルーツの摂取が、高度気分障害の人に対し心理的ウェルビーイングを改善するか検討した。その結果、キウイフルーツは、気分障害の軽減に潜在的に有益性があることが示唆された。この結果は、Nutrients誌2025年4月18日号に掲載された。
4週間のキウイフルーツの摂取で気分障害が改善
研究グループは、軽度~中等度の気分障害を有する18~60歳の成人26例を無作為に割り付け、2週間の休薬期間を設けた。各4週間の期間中、参加者はキウイフルーツを1日2個、または通常の食事を摂取した。主要アウトカムは、キウイフルーツ摂取期間と通常食摂取期間との気分障害総スコアの平均変化とした。副次的アウトカムは、血中ビタミンC濃度、ウェルビーイング、活力、消化器症状。2期にわたり非盲検クロスオーバー試験を実施した。
主な結果は以下のとおり。
・各スコアは、通常の食事と比較しキウイフルーツ摂取時のほうが有意に改善した。気分障害の総スコアは65.2%(p<0.001)、ウェルビーイングは10.5%(p<0.01)、活力は17.3%(p=0.001)改善した。
・血中ビタミンC濃度は27.5%(p=0.002)改善し、消化器症状は16.2%(p=0.003)軽減した。
・重篤な有害事象は認められなかった。
・キウイフルーツの摂取により、気分障害の総スコアが有意に低下し、ウェルビーイング、活力、ビタミンC濃度が改善した。
・消化器症状の重症度も有意に減少した。
これらの結果から研究グループは、「この結果は、成人集団におけるキウイフルーツの気分障害の軽減に対する潜在的な有益性の予備的証拠を提供するもので、臨床集団を含む多様なグループにおけるさらなる研究が必要」と結論付けている。
(ケアネット 稲川 進)