アルコール摂取と片頭痛または重度の頭痛との関係は、これまでの文献において依然として議論の的となっている。アルコールは広く消費されている飲料であるため、アルコールと片頭痛または重度の頭痛との関連を明らかにすることは、患者のマネジメントに役立つと考えられる。中国・安徽医科大学のYi Tang氏らは、アルコール摂取と片頭痛または重度の頭痛との潜在的な関係を調査するため、本研究を実施した。Brain and Behavior誌2025年3月号の報告。
1999年3月〜2004年12月の米国国民健康栄養調査(NHANES)データベースのデータを用いて、閾値効果、平滑化曲線フィッティング、多変量ロジスティック回帰を網羅した分析を行い、アルコール摂取レベルと片頭痛または重度の頭痛との関係を評価した。サブグループ解析と相互作用テストにより、異なる層別集団間におけるこれらの関連の安定性を調査した。
主な結果は以下のとおり。
・対象は、1万3,083例。
・食事中のアルコール摂取量が増加すると、片頭痛または重度の頭痛のオッズ比が減少することが認められた。
・これは、高齢者および男性のサブグループにおいて、より顕著であった。
著者らは「食事中のアルコール摂取量と片頭痛または重度の頭痛との間に、有意な負の相関が認められた」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)