ワインによる各脂質レベルへの影響~メタ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2025/04/15

 

 ワイン摂取が脂質プロファイルに及ぼす影響について、これまで脂質をトリグリセライド、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、フィブリノゲンに分けてメタ解析を行った研究はなかった。今回、スペイン・University of Castilla-La ManchaのMaribel Luceron-Lucas-Torres氏らが系統的レビューとメタ解析を実施した結果、赤ワインによるLDLコレステロール減少効果が示された。The Journal of Nutrition, Health and Aging誌2025年6月号に掲載。

 本研究では、MEDLINE(PubMed)、Scopus、Cochrane、Web of Scienceのデータベースを調べ、系統的レビューとメタ解析を行った。ランダム効果モデルを使用して、各脂質パラメータのプールされた標準化効果量(ES)推定値と95%信頼区間(CI)を算出した。

 主な結果は以下のとおり。

・系統的レビューに33件の研究が含まれ、29件がメタ解析に含まれた。
・赤ワインの影響に関してプールされたESは、前後比較研究において赤ワインのLDLコレステロールに対する影響のみが有意であった(-0.29、95%CI:-0.54~-0.05)。
・白ワインの影響に関してプールされたESは、前後比較研究および臨床研究において、ワインの各パラメータへの影響について有意な結果は示されなかった。

 本研究から、赤ワイン摂取はLDLコレステロールを減少させる効果があり、総コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド、フィブリノゲンには影響がないことが明らかになった。また、介入期間がトリグリセライドと総コレステロール値に影響することが明らかになり、介入期間が長いほどこれら2つのパラメータに効果的であることが示された。

(ケアネット 金沢 浩子)