血清ビタミンDレベルと片頭痛との関連

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2025/02/04

 

 ビタミンDは片頭痛の発症と関連していると考えられているが、その関連の本質は、十分に解明されているとはいえない。いくつかの研究において、ビタミンD欠乏と片頭痛との関連が示唆されているが、一貫性はなく、決定的な結果が得られていない。中国・河南中医薬大学のShunfa Hao氏らは、ビタミンDと片頭痛の関連をより深く理解するため、本研究を実施した。その結果、血清ビタミンDレベルと片頭痛有病率との間に、負の相関が認められたことを報告した。PloS One誌2025年1月3日号の報告。

 対象患者は、2001〜04年の米国国民健康栄養調査(NHANES)データより抽出した9,142人。血清ビタミンDレベルの定義は、25(OH)D2+25(OH)D3(nmol/L)とした。片頭痛に関する情報は、NHANES質問票のその他の頭痛の項より、自由記入に基づき収集した。ビタミンDと片頭痛リスクとの関連性の評価には、多重ロジスティック回帰、smoothed curve fitting、層別化解析を用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・片頭痛の有病率は20.53%であった。
・血清ビタミンDレベルが低い人は、片頭痛の有病率が高かった。
・完全に調整したモデルにおいて血清ビタミンDレベルの最高四分位群は、最低四分位群と比較し、片頭痛の有病率が16%低かった(オッズ比:0.84、95%信頼区間:0.71〜0.99)。
・この結果は、層別化解析、smoothed curve fittingでも同様であった。

(鷹野 敦夫)