食道切除術の術後感染予防、アンピシリン・スルバクタムvs.セファゾリン~日本の全国データ

提供元:ケアネット

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公開日:2023/12/22

 

 セファゾリン(CEZ)は食道切除術における感染予防として広く使用されている。一方、アンピシリン・スルバクタム(ABPC/SBT)は好気性および嫌気性の口腔内細菌をターゲットとしていることから、一部の病院で好んで使用されている。そこで、国際医療福祉大学の平野 佑樹氏らが、食道切除術の術後感染予防における短期アウトカムを2剤で比較したところ、ABPC/SBTがCEZより術後短期アウトカムを有意に改善することが示された。Annals of Surgery誌オンライン版2023年12月15日号に掲載。

 2010年7月~2019年3月に食道がんで食道切除術を受けた患者のデータを日本全国の入院患者データベースから抽出した。潜在的交絡因子を調整し、CEZによる感染予防投与とABPC/SBTによる感染予防投与の短期アウトカム(手術部位感染、吻合部漏出、呼吸不全など)を比較するために、傾向スコアのオーバーラップ重み付けを行った。

 主な結果は以下のとおり。

・対象患者1万7,772例のうち、1万6,077例(90.5%)にCEZが、1,695例(9.5%)にABPC/SBTが投与された。
・手術部位感染は2,971例(16.7%)、吻合部漏出は2,604例(14.7%)、呼吸不全は2,754例(15.5%)に発生した。
・オーバーラップ重み付け後、ABPC/SBTは手術部位感染(オッズ比[OR]:0.51、95%信頼区間[CI]:0.43~0.60)、吻合部漏出(OR:0.51、95%CI:0.43~0.61)、呼吸不全(OR:0.66、95%CI:0.57~0.77)の減少と有意に関連していた。また、呼吸器合併症、術後在院日数、総入院費用の減少とも関連していた。
Clostridioides difficile腸炎および非感染性合併症の割合には差がなかった。

(ケアネット 金沢 浩子)