大腸がんへのトリフルリジン・チピラシル+ベバシズマブとトリフルリジン・チピラシル単剤の比較/ASCO2022

提供元:ケアネット

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公開日:2022/06/24

 

 転移のある大腸がん(mCRC)に対するトリフルリジン・チピラシルと抗VEGF抗体ベバシズマブの併用療法(FTD/TPI+BEV)は、トリフルリジン・チピラシル単剤療法(FTD/TPI)に比べて優れた有用性を認めるが、好中球減少症のリスクが高いことがメタ解析の結果から示された。国立がん研究センター東病院の吉野 孝之氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2022)で報告した。

 FTD/TPIは、難治性のmCRCに対する標準治療として広く普及している。一方で、FTD/TPI+BEVについては、難治性mCRC患者を対象とした第I相および第II相試験においてその有用性と忍容性が示されている。しかし、FTD/TPIとFTD/TPI+BEVを直接した臨床研究はほとんどない。本検討では、MEDLINE、EMBASE、Cochrane Libraryから検索した875文献から、PRISMフローチャートを用いて29の文献(RCT:5文献、非RCT:11文献、前向き観察研究:10文献を含む)を抽出してメタ解析を行い、両治療法の有効性と安全性について評価した。

・対象:FTD/TPIまたはFTD/TPI+BEVが投与されたmCRC 患者、1万285例
・試験群:FTD/TPI+BEV
・対照群:FTD/TPI
・評価項目:病勢コントロール率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、有害事象(AE)など

 主な結果は以下のとおり。

・有効性の情報がプールされたデータ解析からは、試験群は対照群に比べて良好なDCR、PFS、OSの結果が示されていた。
・両群の有効性について比較した唯一のRCT(第II相EudraCT試験:n=93)において、試験群と対照群のDCRはそれぞれ67%、51%で、リスク比(RR)は1.32(95%信頼区間[CI]:0.94~1.86、p=0.11)であった。
・PFS中央値はそれぞれ4.6ヵ月と2.6ヵ月で、ハザード比(HR)は0.45(95%CI:0.29~0.72、p=0.0015)であった。
・OSの中央値はそれぞれ9.4ヵ月と6.7ヵ月で、HRは0.55(95%CI:0.32~0.94、p=0.03)であった。
・安全性の情報の事後解析からは、試験群と対照群でGrade3以上の発熱性好中球減少症(7% vs.3%)、無力症/倦怠感(4% vs.4%)、下痢(6% vs.2%)、悪心(5% vs.1%)、および嘔吐(3% vs.1%)の発現率は同程度だったが、Grade3以上の好中球減少症に関しては、対照群に比べて試験群で発現頻度が高かった(43% vs.29%)。また、AEによる中止率は、両群間で差は認められなかった。

(ケアネット)