骨格筋量維持が術後の高齢食道がんの生命予後を改善/日本癌治療学会 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2021/11/08 手術後の高齢食道がんの生命予後は、骨格筋量減少が減少が小さい患者で良好なことが、第59回日本癌治療学会学術集会で報告された。 骨格筋量の減少はがん患者の生命予後に影響する。消化器がん領域では、患者の高齢化でサルコペニアが増加しており、骨格筋量への注目は高い。 そのような中、完全切除後の高齢食道がん患者における術後の骨格筋量の変化が、生命予後に与える影響を調査するため、単施設の後ろ向き研究が行われた。国立がん研究センター東病院の原田剛志氏が試験結果を発表した。 2016~2020年に根治的手術および周術期リハビリテーションを受けた、70歳以上の食道癌患者が166が分析の対象となった。 完全切除4ヶ月後の骨格筋量指数(SMI)の減少が小さかった群(6.05%未満)は、大きかった群(6.05%以上)に比べ、3年全生存(3yOS)率が有意に良好であった(p=0.0073)。SMIの変化と3yOS率の関係は用量依存的であり、また、SMIの大幅な減少(6.05%以上)は、独立した危険因子であった。 この後ろ向き研究では、周術期リハビリテーションを受けた高齢食道がん患者において、手術後の骨格筋量の変化は生命予後に影響することが示された。発表者の原田氏は 、手術後の継続したリハビリテーションが骨格筋量を維持する可能性を示唆した。 (ケアネット 細田 雅之) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 世界初となるがん悪液質に対する栄養・運動・薬物の併用療法:NEXTAC-THREE試験 シリーズがん悪液質(8)【Oncologyインタビュー】第34回 Oncologyインタビュー (2021/09/14) 食道癌診療ガイドライン2022改訂、日本発エビデンスで治療戦略が大きく変更 医療一般(2022/11/24) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 去勢抵抗性前立腺がん、タラゾパリブ+エンザルタミドがOS改善(TALAPRO-2)/Lancet(2025/07/24) 18歳未満の嘔吐を伴う急性胃腸炎、オンダンセトロンは有益か/NEJM(2025/07/24) バレット食道の悪性度リスク層別化に対する非内視鏡的検査法の有用性:日本と欧米の大きな違い(解説:上村直実氏)(2025/07/24) 高リスク早期TN乳がんへの術前・術後ペムブロリズマブ追加、日本のサブグループにおけるOS解析結果(KEYNOTE-522)/日本乳癌学会(2025/07/24) 次世代技術が切り拓くリンパ腫の未来/日本リンパ腫学会(2025/07/24) 緑茶摂取量が多い日本人は認知症リスクが低下(2025/07/24) ダイエット飲料より水の方が血糖・体重管理に有利(2025/07/24) 妊婦の有害転帰、心血管の健康と社会的孤立が複合的に影響か(2025/07/24) ふくらはぎが細くなったら筋量減少のサインかも?(2025/07/24) [ あわせて読みたい ] トレンド・トーク『肺がん』(2024/06/11) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) 災害対策まとめページ(2024/02/05) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17)
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