がん治療用ウイルスG47Δテセルパツレブ発売/第一三共

提供元:ケアネット

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公開日:2021/11/08

 

 第一三共は、2021年11月1日、同社が東京大学医科学研究所の藤堂具紀氏と共同で開発したがん治療用ウイルス G47Δテセルパツレブ(製品名:デリタクト)を国内で発売した。

 G47Δは、がん細胞でのみ増殖可能となるよう設計された人為的三重変異を有する増殖型遺伝子組換え単純ヘルペスウイルス1型で、藤堂氏らにより創製された。

G47Δテセルパツレブは当面の間、治験実施施設のみ供給

 G47Δテセルパツレブは、膠芽腫患者を対象とした国内第II相臨床試験(医師主導治験)の結果に基づき、2021年6月に悪性神経膠腫の治療を目的とした再生医療等製品として、国内で条件及び期限付承認に該当する製造販売承認を取得した。G47Δテセルパツレブは当面の間、治験実施施設のみへの供給となる。

製品概要
・販売名:デリタクト注
・一般名:テセルパツレブ
・効能、効果又は性能:悪性神経膠腫
・用法及び用量又は使用方法:
通常、成人には1回あたり1mL(1×109PFU)を腫瘍内に投与する。原則として、1回目と2回目は5~14日の間隔、3回目以降は前回の投与から4週間の間隔で投与する。投与は6回までとする。
・承認条件及び期限
 〈承認条件〉
1.緊急時に十分対応できる医療施設において、悪性神経膠腫の治療及び脳神経外科手術手技に十分な知識・経験を持つ医師が、本品の臨床試験成績及び有害事象等の知識を十分に習得した上で、臨床検査等によるモニタリングや管理等の適切な対応がなされる体制下で本品を使用すること。
2.条件及び期限付承認後に改めて行う本品の製造販売承認申請までの期間中は、本品を使用する症例全例を対象として製造販売後承認条件評価を行うこと。
3.「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号)」に基づき承認された第一種使用規程を遵守して本品を用いるよう、その使用規程の周知等、必要な措置を講ずること。
 〈期限〉7年
・薬価:1mL 1瓶 143万1,918円
・製造販売承認日:2021年6月11日
・薬価基準収載日:2021年8月12日
・発売日:2021年11月1日
・製造販売元:第一三共株式会社

(ケアネット 細田 雅之)