ウェアラブルデバイスを活用し、間質性肺疾患の発症を予測/アストラゼネカ

提供元:ケアネット

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公開日:2021/06/14

 

 アストラゼネカは、2021年6月4日、化学放射線療法後にデュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)による治療を受けたStage IIIの切除不能な非小細胞肺がん患者を対象に、間質性肺疾患(ILD)の発症を予測するモデル構築に向けた探索的試験(以下、iDETECT study)を、6月より開始する。

 iDETECT studyの目的は、ウェアラブルデバイス等を用いて収集したデータを基に初期症状のILDを早期に検出することにより、将来的にILDが重症化する前に適切な医療サービスを受けることができる環境の創出。

 Stage IIIの非小細胞肺がんでは、治療機会を最大限に維持し、根治を目指すことが重要である。一方、化学放射線治療後にデュルバルマブを投与した日本人患者では、ILDが有害事象で最多を占めている。ウェアラブルデバイス等のデータを臨床情報と組み合わせることで、ILD早期発見・発症予測ができるかを検討していくという。

iDETECT study試験概要
・試験目的:デュルバルマブを投与している切除不能なステージIIIの非小細胞肺がん患者の、将来的なGrade2以上のILD発症や疾患の進行状態を、機械学習により予測することが可能であるかを検証する
・検証データ:患者の臨床データおよび患者がウエアラブル機器と携帯アプリから回収した血中酸素飽和度、呼吸、脈拍数、咳データ
・試験対象:日本でイミフィンジを投与している切除不能なステージIIIの非小細胞肺がん患者150例
・試験期間:2021年6月~2022年12月
・使用デジタル機器・技術:株式会社クォンタムオペレーションによるウェアラブルデバイス(血中酸素飽和度、呼吸、脈拍数を測定)および、ResApp Health社による咳の回数を測定できる携帯アプリ
・AIモデル開発(ILD発症予測モデル開発):エムスリー株式会社

(ケアネット 細田 雅之)

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