新型コロナでマンモグラフィ2ヵ月中止、診断時の病期に影響/ESMO Open

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の影響を強く受けた北イタリアではマンモグラフィ検診が2ヵ月間中止となった。イタリア・Azienda Ospedaliero-Universitaria di ModenaのAngela Toss氏らが、検診中断後の乳がん診断時および初期治療時の病期を調査したところ、検診中断後にリンパ節転移陽性およびStage IIIの乳がんが増加していた。ESMO Open誌オンライン版2021年2月11日号に掲載。
本研究は単施設での後ろ向き研究で、2ヵ月間のマンモグラフィ検診中断後の2020年5~7月に乳がんと診断された177例(女性174例、男性3例)の臨床病理学的特徴について、定期的に検診を実施していた2019年の同時期に乳がんと診断された223例(女性221例、男性2例)と比較した。
主な結果は以下のとおり。
・2ヵ月間の検診中断により、非浸潤がんでの診断は有意に減少し(2019年17.2%→2020年6.87%、p=0.0021)、リンパ節転移陽性(2019年12.5%→2020年23.7%、p=0.0034)およびStage III(2019年2.2%→2020年12.5%、p=0.0001)での診断は有意に増加した。
・増殖能が高い患者群(MIB-1≧20%)では、リンパ節転移陽性は18.5%増加し(p=0.0352)、Stage IIIは11.4%増加した(p=0.045)。
・増殖能が低い患者群(MIB-1<20%)では、リンパ節転移陽性は変わらなかった(p=1)が、Stage IIIは9.3%増加した(p=0.0064)。
(ケアネット 金沢 浩子)
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