近視眼患者の緑内障鑑別にSD-OCTが有益

提供元:ケアネット

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公開日:2018/07/10

 

 韓国・ソウル大学のSung Uk Baek氏らは、近視眼患者における緑内障の診断精度向上のために開発した、スペクトラルドメイン光干渉断層計(SD-OCT)の局所パラメータを用いた新しいスコアリングシステムが、近視患者の健康な眼と緑内障の鑑別に有用であることを示した。著者は、「近視眼患者の緑内障発見のため、SD-OCTによるマルチ局所パラメータの使用は意義がある」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2018年6月7日号掲載の報告。

 研究グループは、新たに開発したスコアリングシステムの緑内障診断能の検証を目的とした横断研究を行った。対象は、強度近視175眼(等価球面度数[SE]<-6.0Dまたは眼軸長>26.0mm)を含む、計517例(517眼 SE<-1.0Dまたは眼軸長>24.0mm)で、トレーニングテスト群(241眼)とバリデーションテスト群(276眼)の2群に分け検証した。

 網膜神経線維層(RNFL)の異常な形態的パターン(大きさ、形、位置、および偏位と厚みマップの一致)、ならびに神経節細胞層+内網状層(GCIPL)の異常な形態的パターン(大きさ、形、位置、色調、マップの一致、step sign)に基づき、RNFLとGCIPLの局所的兆候を抽出した。RNFLおよびGCIPLの異常は、近視眼患者の緑内障における偏位と厚みマップにおいて高い尤度を示したものとした。診断スコアはトレーニングセットを使用し、感度、特異度、陽性尤度比(PLR)それぞれの診断兆候に従って編集された。さらに、ROC曲線下面積(AUC)を用いて、OCTで得られたパラメータとバリデーションテスト群のスコアリングシステムを比較した。

 主要評価項目は、AUCで検証した新しいスコアリングシステムの診断精度であった。

 主な結果は以下のとおり。

・RNFLとGCIPLの全パラメータの中で、診断精度はGCIPLの厚みマップにおける耳側半視野非対称の存在(PLR:5.98)が最も高く、次いでRNFL欠損の位置(PLR:5.79)、GCIPL欠損の色調(PLR:5.04)の順であった。
・近視眼における局所スコアリングシステムのAUCは0.979で、下方RNFL厚パラメータ(0.895、p<0.001)および平均RNFL厚パラメータ(0.894、p<0.001)より有意に高かった。
・強度近視眼においても、スコアリングシステム(AUC:0.983)はRNFLおよびGCIPLの厚パラメータより診断精度が高いことが示された(すべてp<0.001)。

(ケアネット)