白内障手術後の持続性ドライアイ、予測因子は?

提供元:ケアネット

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公開日:2018/03/28

 

 韓国・延世大学校のYoung Joon Choi氏らは、白内障手術後の持続性ドライアイ症状について前向き研究を行い、手術前のドライアイ自覚症状(Ocular Surface Disease Index:OSDI)スコアと、術後1ヵ月時の涙液層破壊時間などの眼パラメータが、白内障手術後持続性ドライアイの予測に重要であることを示した。Cornea誌オンライン版2018年3月14日掲載の報告。

 研究グループは、白内障手術後の持続性ドライアイと関連する周術期ドライアイ症候群およびマイボーム腺機能不全のパラメータを評価する目的で、3次病院1施設において、眼疾患既往歴および眼治療歴(人工涙を除く)のない、単純な白内障手術を受ける患者を登録した。

 手術前および術後1および3ヵ月時に脂質層の厚さ、マイボーム腺脱落、涙液層破壊時間、オックスフォード染色スコア、眼瞼縁の異常、マイボーム腺から分泌される脂質(マイバム)の質、マイバムの発現性、マイボーム腺開口部閉塞、マイボーム腺機能不全のステージ、OSDI、およびシルマーテストのスコアについて評価した。

 術後3ヵ月時のOSDIスコア>12を白内障手術後持続性ドライアイ症状患者と定義し、多変量ロジスティック回帰分析を用いて持続性ドライアイ症状のリスク因子を検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・116例116眼が登録され、96例が術後3ヵ月時まですべての検査を完遂した。
・術後3ヵ月時に持続性ドライアイ症状を呈した患者は31例であった。
・オックスフォード染色スコア、眼瞼縁の異常、マイバムの質およびマイボーム腺機能不全のステージは、経時的に改善した。
・ベースラインのOSDI高値(オッズ比[OR]:1.072、p=0.001)、ならびに術後1ヵ月時の涙液層破壊時間低値(OR:0.322、p<0.001)、マイボーム腺開口部閉塞スコア低値(OR:0.291、p=0.015)およびマイボーム腺脱落の増加(OR:1.145、p=0.007)が、白内障手術後持続性ドライアイ症状のリスク因子であることが認められた。

(ケアネット)